内容説明
天を衝く巨大な樹々、大地を埋め尽くす深い緑をわずかに切り開き、人間たちは細々と生きてきた。森林保護者は、その樹海の住人というべき害獣・害虫の異常繁殖、疫病の蔓延、食糧不足、あらゆる脅威から文明社会を護る職業だ。その一人、フェイはある目的のため、危険と隣り合わせの旅を続けている。ある日、息子を正体不明の獣に殺された地主が、そいつを捕らえるように依頼してきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
67
楽しめた!たまたま見かけて読んでみた。大地の96%を樹海に覆われた世界で異形の腕を持つ主人公フェイが自分を裏切った兄を追う。樹海は獣や虫など危険がいっぱい。肉食獣に昆虫、寄生虫!自然の危険の裏には人々の悲しみがある。一巻にまとめてあるので駆け足なのがもったいない。それでもしっかり世界観は楽しめる。文章も読みやすい。子供の頃読んでいた朝日ソノラマの世界を思い出しました。キリンみたいな顔のフェイ、表紙はかっこよく描きすぎ?続きも書けると思うので、ぜひまたフェイに会いたい!2021/06/21
yamakujira
7
フェイは森林保護官として各地で害獣や害虫を駆除する仕事を請け負いながら、ある男を追って樹海を旅する。森に隠された秘密組織、寄生虫に侵された片腕、30cmもあるカミキリムシなどの架空生物、森林保護官という言葉から抱いた雰囲気とはずいぶん違う物語だった。世界の成り立ちへの言及とか、架空生物のバリエーションとか、ラストの対決シーンとか、もう少し作りこんでほしい気もするけれど、漫画的でわかりやすい世界観とスピード感ある展開で一気に読ませてくれる。ネロやエンムタでスピンオフ作品も書けそうだね。 (★★★☆☆)2022/02/07
あにか
2
アニメを文字にしたような感じ。思ってたより面白かった。短編連作もので大筋の話は一旦完結した感じだけど、もう少しエピローグ的なのが欲しかった。組織との対決とか腕の寄生虫の話とか続けようと思ったら続けられそう。2019/10/26