出版社内容情報
類まれなる知力と胆力で戦国の世を生き抜いた荒木村重。なぜ彼は、信長を裏切り勝ち目のない戦いを挑んだのか!?
内容説明
類まれな知略と胆力を見込まれ、織田信長の膝下で勢力を拡げた荒木村重。しかし突如として謀叛を企てる。明智光秀、黒田官兵衛らが諌めるが村重は翻意せず、信長の逆鱗に触れた。一族郎党皆殺し。仕置きは苛烈なものだった。それでも村重は屈せず逃げ延びることを選ぶ。卑怯者の誹りを受けることを覚悟の上で、勝ち目のない戦に挑んだ理由とは。そこには恐るべき陰謀が隠されていた―。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年大阪府生まれ。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に単行本『孤闘立花宗茂』(中央公論新社)で中山義秀文学賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
113
初めて読む上田作品。信長に操られるままであった荒木村重が、主を裏切り、自らの生きる道を模索していく物語。歴史の謎をどのように解釈するかは作者の技量次第。一つの歴史的事実も、色々な見立てが出来るから歴史小説への興味が尽きることはない。まだまだ読んだこともないような作家はゴロゴロしているのだろう。そういうのを見つけ出すことも、読書の楽しみの一つです。2019/12/29
とし
84
傀儡に非ず。知略と胆力を持つ、戦国武将荒木村重織田信長の家臣となり、摂津国を任されるまで出世するも、信長を裏切り、身内や多くの人達が処刑される脅迫にも屈せずたった一人生き延びた人物、なにかしらの執着心があったのでしょうね。 2020/12/20
つーこ
34
信長を裏切り、官兵衛を1年間も幽閉し、一族を磔にされて、それでもなお独りで生き続けた荒木村重。明智光秀などと並んで苦悩した人のイメージの村重が、その時何を思っていたのか。彼を主人公にした本であれば・・と期待したのだが。謀反の理由は作者によって様々で、今回の理由もなるほどだが、何しろ彼のハイライトはまさかの終章のみ。一番興味深い時期が、めちゃくちゃサラッと記されていて、残念の一言に尽きる。2022/08/27
detu
21
10/24〜28了。荒木村重。信長謀反の新解釈は面白かった。信長、秀吉譚にチョイ出てくるバイプレーヤーという印象で、黒田官兵衛を幽閉したぐらいの。出自とかあまり知らなかったが、親子二代に渡ってのなかなかの苦労人。結局は、松永弾正のように滅ばされたかと思っていたが、かなり生き延びたひとなんだ。どうしても信長ありきの話にはなってしまう感は否めない。ディスってるわけではありません。あの時代は仕方ないのです。2022/10/28
なななな
13
いつも上田作品は時代物でありつつ、現代感覚で共感できて面白く読んでいます。この作品もまたその要素がありつつ、歴史の「なるほど」と、最後にタイトルが登場する部分などドラマチックで楽しく読めました。2019/03/25