出版社内容情報
本格推理の鬼才・麻耶雄嵩が生んだ女子高生探偵! 彼女の怪しい謎解きは名推理? それとも迷推理?
内容説明
学園の一角にそびえる白壁には、日が傾くと部活に励む生徒らの影が映った。そしてある宵、壁は映し出す、禍々しい場面を…。京都の名門高校に続発する怪事件。挑むは化石オタクにして、極めつきの劣等生・神舞まりあ。哀れ、お供にされた一年生男子と繰り広げる奇天烈推理の数々。いったい事件の解決はどうなってしまうのか?ミステリ界の鬼才がまたまた生み出した、とんでも探偵!
著者等紹介
麻耶雄嵩[マヤユタカ]
1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『涼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
152
舞台は京都の名家の子女が通う私立ペルム学園。化石オタクで“変人”の2年生・神舞まりあと、その幼馴染みで周囲からは“従僕”認定の1年生・桑島彰…部員わずか2人の「古生物部」は、過疎部潰しを目論む生徒会と対立、廃部を免れようと悪戦苦闘する中、学園内外で立て続けに事件が!?…という物語。それぞれの事件は明確な“結末”を迎えることなく次の章へと進むので、何とも居心地の悪さが…でも最後の最後で、麻耶さんの意図が判明します。なるほど、◯◯探偵と◯◯ワトソンという新たな“探偵&助手”の関係性を描きたかったんだなぁ~と。2023/04/10
とろこ
63
うぅむ…。化石オタクの少女と、彼女の幼なじみで1つ年下の男子。彼らが通う、良家の令息・令嬢が通う私立名門高校で何件もの殺人事件が起きる。その都度、少女まりあが推理を披露するのだが…。根拠も何もない、相手が気に入らないというだけの理由で犯人を決めつけ、それに都合のいい推理をこじつける。これでは、もはや推理とは呼べない。それに対し、少年・彰が論理的に反論する。その反論は尤もなのだが、結論は曖昧にされたまま次の事件が起きる。もやっとする。そして、個人的に、まりあが好きになれない。ラストも狙った感が否めない。2019/03/02
ヒロ
62
名門校の古生物部の二人が遭遇した殺人事件に首を突っ込む連作短編集。コナン並みに人が死にまくる。探偵役の先輩まりあとワトソン役の後輩彰が主人公なんだけど…。ミステリ史上最悪のワトソン…期待を裏切らないね…。麻耶ファンとしてはサイコーだったけど、どうかな、まともなミステリファンはブチギレるんじゃないかな?珍味好きな方は是非!2019/01/30
HANA
60
京都の名門高校に通うヒロインとその幼馴染。廃部寸前の古生物部の行く末を巡って生徒会と丁々発止の遣り取りが行われる。ただその最中、高校内で殺人が頻発し…。連作短編集で探偵が頓智気な推理を連発しワトソンがそれを否定するという流れ。特に事件の真相は示される事無く終わるという変わった本なのだが…。これまで推理小説の枠組み自体を破壊するような話ばかり書いてきた著者なので今回も警戒しながら読んだので、ラストも予想の範囲内であった。が、どんでん返しを事件ではなくストーリーの流れにするのは流石と思わざるを得ませんでした。2025/03/28
hnzwd
59
廃部寸前の古生物部に所属する少女と、ワトソン役の主人公が遭遇する高校内での事件を描く連作短編集。麻耶作品にしてはあっさりだな、、と思いながら読んでいましたが。最後は期待通りでした。ネタに気づいてからは伏線回収しながら読んでしまいましたが、最後はそれでも驚かされました。佳作。2017/11/22
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