出版社内容情報
おしゃれでポップ、こんなポルノ小説、読んだことない!
伝説の芥川賞作家が綴った、人妻の性の告白。
あたし、○○なんです。
ヒロインのモノローグ文体を確立し、官能小説界に革命を起こした伝説の作家、宇能鴻一郎の代表作を復刊!
東大大学院在学中に芥川賞を受賞し颯爽とデビューを飾り、その後官能小説家へと転身。
「あたし、」で始まる語り口、オノマトペの多用、思いもよらない文の切れ目。
みずみずしくってまったく新しい!
【著者紹介】
宇能鴻一郎(うの・こういちろう)1934年北海道生まれ。東京大学国文科卒業。1962年「鯨神」で第46回芥川賞を受賞。その後、官能小説の書き手として一時代を築く。
内容説明
みずみずしさに溢れた女性の告白文体を確立し、官能小説の一時代を築いた芥川賞作家・宇能鴻一郎の代表作が、今、よみがえる!文庫初刊から七篇を精選。連載当時の挿絵も収録。
著者等紹介
宇能鴻一郎[ウノコウイチロウ]
1934年北海道生まれ。東京大学文学部国文科卒業。1962年「鯨神」で第46回芥川賞を受賞。その後、官能小説の書き手として一時代を築く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あも
6
ちょっと前に芥川賞作家の書く官能だかの帯の惹句を見てジャケ買いした。うーん、まごうことなき官能小説である。世間知らずで肉感的な若奥様が旦那の上司だの部下だの行きずりの男だのとただただひたすらに浮気しまくる話。とくにストーリー性や文学性はない笑。ただ40年前の小説なだけあって、性描写もどこか下品じゃないというか微笑ましいというか。一文だけ参考に引用すると、「雪を押し分けて進む、ラッセル車、という感じ…。」何がラッセル車なのかについては言及は控えておきます。時代を感じるなぁという点ではある意味面白かったかも。2016/07/27
akapon
1
宇能鴻一郎の女性告白体小説にかねてより興味があったのだが『成城だよりIII』の新井素子文体への言及を読んで急速に比較してみたいという気分が盛り上がったので読んでみた。「あたし」一人称、一文の短さ、改行・体言止め・助詞止め・接続詞止めの多用、格助詞の省略、独特の擬音、などが特徴と見る。新井素子文体との共通点はいくつもあるが当然のことながら印象は全く違う。これだけページの下が白いとむしろ夢枕獏や火浦功の小説を思い出した。作家が意識的に速く読める文体を作ろうと思ったらこれらの諸技術に到達するのは必然なりや。2019/12/22
トトロとろとろ
1
美味しそうなプリンのお話。 途中まで、作者は女性かと思ってました。ヤギのマツゲ、、初めて知りました。最後の展開には笑った。 解説もいい。2016/08/08
K
0
この作家の官能小説、実はあまり興味なかった。だがしかしいずれ読もうと買うだけ買って積んでようやく読み終えた。結果、とっても読みやすかった(文体) 主人公である若奥様が可愛くて実にけしからん。団地妻ってのもポイント高い。…と思ったがこの時代それが一般的なのか。昭和って素晴らしい(団地妻好き) 若奥様だが、隙が多くて色んな男性となし崩し的に関係を持つはめに。展開的にはド直球ポルノだが、表現がソフトなせいかコミカルでむしろ微笑ましい。オチは笑った。内助の功にしたって捨て身過ぎるw2019/10/12