出版社内容情報
カギは「長野県の県歌」。絞殺死体は何を語る?!
信州毎朝新聞の牧田編集局次長が水内ダムで絞殺死体となって発見された。前日、牧田と喧嘩別れした部下の中嶋英俊が疑われるが、恵那山トンネル、長楽寺、寝覚ノ床でも次々と絞殺死体が発見される。中嶋の妻・洋子は発見現場がすべて長野県歌「信濃の国」に歌われる地名と一致することに気付く。一方、長野県警の竹村警部は被害者四人を結ぶ過去の事件を洗い出したが……。渾身の長篇推理。
【著者紹介】
1934年、東京生まれ。80年『死者の木霊』で作家デビュー。『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦は国民的人気の探偵に。著作は浅見光彦シリーズのほかに、<信濃のコロンボ>竹村警部シリーズ、警視庁岡部刑事シリーズなど多数。
内容説明
信州毎朝新聞の牧田編集局次長が水内ダムで絞殺死体で見つかった。前夜、牧田と口論していた部下の中嶋が疑われてしまう。新婚早々の出来事に、中嶋の妻・洋子は困惑する。その後、恵那山トンネル、長楽寺、寝覚ノ床で次々と遺体が発見され、洋子は長野の県歌「信濃の国」に出てくる地名と現場が一致していることに気づく。信濃のコロンボ・竹村岩男警部は四人の被害者を結ぶ糸口を探り出した!
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
1934年東京都生まれ。80年、『死者の木霊』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がいむ
34
帰りの新幹線で読む本がなく、ホームの売店で1分でチョイス!こんな風に買うことはほとんどないなあ~。”売れてます”の帯とタイトルに惹かれて。殺人事件だけどさらさらと読めて、いろんな土地が出てきて、電車で読むのにぴったりのストーリー。もともとは20年前以上に書かれたものとのことで、電話や交通事情が今とは異なります。文庫の最終ページに「浅見光彦 友の会」入会のお知らせがあってびっくり。ファンが多いんですね!2016/09/22
forest rise field
22
20数年ぶりに再読。内田作品の信濃のコロンボ竹村警部に魅了されてシリーズを読み漁り、信州を訪れた日々が懐かしい。作品がきっかけで開通して間もない長野新幹線にも乗った。長野県歌「信濃の国」は観光ガイド的な歌でもあり、メロディも好きだ。その県歌にまつわるエピソードと連続殺人事件を絡めたいい作品だった。2023/07/07
びぜんや
5
先日「信濃の国」と分県騒動について話を聴く機会があり、「そういえば昔、『“信濃の国”殺人事件』って読んだよな……」と思っていたら、タイムリーなことに店頭に新装版が。買ってきて再読しました。長野県歌の見立て殺人なんて誰が喜ぶんだという感じですし、動機にしても何にしても全体的にプアで大雑把。しかし分かりやすいキャラが揃い、いかにも二時間ドラマにしたらハマりそうな感じで、おおらかな時代の空気を感じつつ楽しみました。★★☆☆☆ 余談ですが私の携帯電話の着信音は「信濃の国」ユーロビートヴァージョンです。 2016/02/28
ユキ
4
最近の徳間文庫から刊行される内田先生の小説の表紙イラストがすごく好きでお気に入りです。しかし、新装版なのに、P309に誤字がありとても残念。/長野の分県問題をテーマにした竹村警部の信濃のコロンボシリーズだが、そんなに活躍していなかった印象も強い。(記者の中嶋夫婦の方が目立つかな)2016/02/24
コマンドー者
1
信濃のコロンボシリーズの80年代中期の初期作。長野県を舞台にして長野の県歌と分断騒動というご当地ネタを盛り込んで連続殺人が展開する。被害者のミッシングリンクネタなどなかなか引きが多い展開で、上出来の作品である。2022/01/30