出版社内容情報
今日の夕飯はなんだろう? 家に帰る足が軽くなる。
十年前、陽一の母とユカリの父が結婚し、二人は兄妹になったが、五年前に両親は他界。中三のユカリは義母のレシピ帳を参考に料理し、陽一は仕事で生活費を稼ぎ、支えあいながらの二人暮らし。ある日、庭先に猫が現れる。二人は猫を飼い主らしき人へ届けに行くのだが――。のんびり屋の兄と、しっかり者の妹が織りなす、陽の光差すような、猫もまどろむほのぼのあったかストーリー。
【著者紹介】
1977年、千葉県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2009年「森崎書店の日々」で第三回ちよだ文学賞大賞受賞。同作品は映画化された。著書に「続・森崎書店の日々」「純喫茶トルンカ」「純喫茶トルンカ しあわせの香り」がある。
内容説明
十年前、陽一の母とユカリの父が結婚し、二人は兄妹になったが、五年前に両親は他界。中三のユカリは義母のレシピ帳を参考に料理し、陽一は仕事で生活費を稼ぎ、支えあいながらの二人暮らし。ある日、庭先に猫が現れる。二人は猫を飼い主らしき人へ届けに行くのだが―。のんびり屋の兄と、しっかり者の妹が織りなす、陽の光差すような、猫もまどろむほのぼのあったかストーリー。
著者等紹介
八木沢里志[ヤギサワサトシ]
1977年千葉県生まれ。日本大学芸術学部卒業。「森崎書店の日々」で第三回ちよだ文学賞(千代田区主催)大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
219
さすが八木沢さん!ほっこりさせて、時にはハッとさせてくれて、最後はもちろんホッとさせてくれる見事なお話しでした。装丁にも書かれているネコが所々でほっこりと重要なポジションを担っています。サラリーマンの兄「陽一」と妹「ユカリ」は血のつながりの兄妹で、再婚同士の両親を不幸な交通事故で亡くします。それ以来、ずっと二人で苦しくもしっかり生きてきた絆の深い兄妹です。兄「陽一」のおっとりとしたキャラが憎めなくて、本当に癒されます。この作者さん、日常の何気ない平和感を醸し出させたら、とにかくピカイチな描写で見事です。2016/05/18
KAZOO
169
八木沢さんの出版されている本の最後のものです。これもヒューマン系で両親が交通事故で亡くなったあとに残された兄と妹の日常の生活の様子をつづったものです。種田さんと呼ばれる猫はあまり出てこないのですが存在感があって愉快です(特に最後のところなど)。いくつかの話が収められているのですが読んでいて、ホカホカしてくるような気がします。いい話でした。もう少し出版してくれないですかね。2017/01/27
相田うえお
123
良かったです。★★★★★ 出てくる猫ちゃんはさりげないスパイス。猫ちゃんの話じゃないよ。主人公の名前がさ、相田だって。共感倍増!当方には妹がいませんが、こんな妹がいたらさぞかしいいでしょうね。兄も妹思いですし、本当に仲がいいんで微笑ましいですね。両親がいなくても明るく過ごす兄妹、素晴らしいです。これ読んだら、あー 妹ほしぃー!ってなります。いっぱいいっぱい兄貴らしいことしてやりたいよね。あたたかいお話が御好みならまじオススメです。最後は満員電車でよんだらだめだよ。2016/04/27
七色一味
108
読破。タイトルと装丁からすると、なんとなく猫が主役に出てきそうな感じがしますが、意外と登場機会は少なめ。あくまで主役は(多分)脚の持ち主とその(血のつながっていない)兄です。そしてこの兄妹の距離感や二人を取り巻く周囲の人々との距離感がとても微妙でしかも絶妙。この空気感はイヤミがなくて自然で、胸の奥にすとんと落ち着く感じがします。オススメです。2016/11/18
みかん🍊
105
兄妹と猫1匹で暮らす穏やかな日々、とぼけた兄としっかり者の妹は両親の再婚によって血の繋がらない兄妹、灯りついた家へ帰るそんな何気ない幸せ、血縁関係はないけど普通に仲の良いごく自然な関係、安易に恋愛関係に発展したりしない所がいい。「花を見て根を思う人になれ」ちゃんと根のはった信頼関係で結ばれたほのぼのとした毎日が心地よい作品でした。2015/12/31