出版社内容情報
「どっどどどどうど どどうど どどう…」という不思議な書き出しとともに、ある日、山の小学校にひとりの少年が転向してくる。それは風の精霊なのか。ガラスのマントで飛び立つ少年の姿が鮮烈な印象を残す。
銀河鉄道とともに賢治の代表作を言える作品。
著者等紹介
やぎたみこ[ヤギタミコ]
兵庫県姫路市生まれ。武蔵野美術短期大学デザイン科卒。イラストレーターのかたわら絵本を学び、第27回講談社絵本新人賞佳作を受賞後、『くうたん』(講談社)でデビュー。大人も一緒に楽しめる、子どものための絵本の制作をつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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anne@灯れ松明の火
53
新着棚で。やぎたみこさん絵。美しい本に仕上がっている。トークショー予習。有名な作品だが、実は、未読。転校生・高田三郎を見て、子どもたちが「風の又三郎だ」と言い出すが、それが何なのか(風の神様の子を指すらしい)は全く書かれない。そして彼のことを三郎と書いたり、又三郎と書いたり。宮沢賢治って、何だか不思議。でも、村の子どもとは異質な三郎が、風のようにやってきて、去っていったのだから、風の神様の子と思われるのは当然だったのかもしれない。2020/01/03
chiaki
37
長年敬遠してきてしまった宮沢賢治作品、やぎたみこさんの爽やかな挿絵に助けられながら、あり得ないけどようやく読めました。ガラスのマントに、ガラスの靴を纏ったあの描写、とても不思議な感覚。きっと田舎では珍しい転校生に、多くの興味と期待が膨らんで、夢にまで見たのかな?9月初めのわずか12日間に吹いた風…この村の子どもたちはきっと風が吹く度、又三郎を想うのだろう。度々出てくる【一字空白】を想像するのが楽しい。2020/09/14
ヒラP@ehon.gohon
24
宮沢賢治の代表作でありながら、古い時代の山の小学校をイメージできずにいた自分が、爽やかなやぎたみこさんの絵で、その世界に入っていくことが出来ました。 元風景のような描き方が印象的で、宮沢賢治の世界を膨らませてくれていると思います。 文字だけで読んでいるときよりも、宮沢賢治の世界が近くなりました。2019/12/31
マツユキ
21
二学期が始まり、学校へ行くと、教室に見知らぬ男の子がいた。赤毛で、服装も違うその子は風の又三郎なのか…。有名な作品ですが、ちゃんと読むのは、初めて。子供の会話文が多いので、読みづらいんですが、子供たちの遊びが生き生きと描かれています。怖いこともあるね。そんな中で三郎は、何を思っていたのか。短いお話ですが、存在感がある。2019/12/19
こふみ
19
チラシの あまりに素敵な絵に惹かれ、やぎたみこさんの原画展に行ってきました。 色合いが美しく 見とれました。2020/01/16