出版社内容情報
戦争の陰で行なわれた殺人と金塊奪取の謎…! 西村京太郎の初期代表作を終戦70年の今、復刊!
アマチュア無線を楽しむカメラマンの野口浩介の無線機に、午前二時になるときまって弱々しい救難信号が送られてきた。調査の結果、終戦時、南太平洋のトラック諸島で沈没した潜水艦・伊号509から発信されたものだったのだ! そして元海軍中佐の不可解な死!? この艦が積んでいた十億円の金塊の行方は? 真相を追って野口は南の島に向かった……!
【著者紹介】
1930年東京都生まれ。トラベル・ミステリーの第一人者。65年『天使の傷痕』で第10回江戸川乱歩賞、81年『終着駅殺人事件』で第34回日本推理作家協会賞、2005年、第8回日本ミステリー文学大賞を受賞。著作は550冊を超えた!
内容説明
アマチュア無線を楽しむカメラマン野口浩介の無線機に、午前二時になると決まって弱々しい救難信号が送られてきた。調査の結果、南太平洋のトラック諸島で沈没した潜水艦・伊号五〇九から発信されたものだったのだ!そして元海軍中佐の不可解な死!?この艦が積んでいた十億円の金塊の行方は?真相を追って野口は南の島に向かった…!十津川警部シリーズの初期代表作。
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
1930年東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
31
センセの初期作品ってホンマに海洋ネタが多いね。アマチュア無線で毎晩キャッチするSOS信号が、どうやら沈没したはずの海軍の潜水艦から発せられているらしく…。ダイビング仲間3人組の野口、江上、由紀子でその謎に迫っていく。この潜水艦ネタに関わった者が次々と不審な死を遂げていく一方、積んであったとされる金塊の行方、それを手に入れようとする者たちの犯した罪の数々…軍事、海洋、埋蔵金、青春等々いろんな要素がみっちり詰まった作品。十津川警部も出てくるけど、彼がメインでカッコよく事件を解決して…てな感じではない。2021/04/12
coco夏ko10角
23
十津川警部シリーズ。この前読んだ『赤い帆船』の解説で触れられてて気になったので手に。アマチュア無線を楽しむ野口のもとに毎日決まった時間に送られてくる救難信号、調べていくと終戦時トラック諸島で沈没した潜水艦からだと分かり…。金塊は本当にあるのか、潜水艦の生き残りは誰で何をしているのか、発信人は誰なのか。どういう幕引きになるかと終盤の海中シーンはドキドキ。ラスト、小説でこういう結末・真相になったときにどうするかは刑事によるけど、十津川の選択。2023/05/26
朱雨
12
アマチュア無線が趣味のカメラマンの無線機に、毎夜送られてくるSOS信号。調べていく内に、それが戦時下に沈没した潜水艦から送られてきたものだと判明する。事件関係者が次々に不審な死を遂げ、艦には金塊が!? 十津川シリーズの初期作品ということでしたが、警部があまり出番が少ないのは気のせいか。海中シーンはスリルがあって読み応えがありましたが、あまりすっきりする読後感ではなかったかも。と言いつつも、ほぼノンストップで読んでしまいました。2022/07/19
浅木原
5
32年前、終戦の年に沈んだ帝国海軍の潜水艦から救難信号が。それに気付いた若者3人が、潜水艦とともに沈んだ10億円の金塊を求めて南洋へ――という十津川警部(脇役)の海洋もの。ミステリーで始まり宝探し冒険小説から犯罪小説、最後は水中アクションとジャンルを移動しつつ、『D機関情報』など他の初期西村作品の色んな要素も詰め込んだ盛りだくさんの長編。ミステリとしては尻すぼみだけど、話は飽きさせず最後まで読ませる。『ある朝海に』や『脱出』と比べると5年ちょいで若者像が全然違うのも面白い。傑作とは言わないけど楽しい佳作。2015/09/29
あきさん
3
神谷のしたことは許されることではないと思います。野口と江上の復讐劇が美談のように書かれている印象がありますが、神谷を恐喝して3億手にしているわけで、それも許されることではないのではないかと・・。本作は1977年の作品なんですね。初期の西村作品をもっと読んでみようと思いました。2015/08/07