出版社内容情報
お気楽なOL、二ノ宮こと葉は、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴で、すばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入り、「言葉」の修行を始める。成長したこと葉は、父の遺志を継いで初めて衆議院選に立つ、厚志の選挙を手伝うことになるが……!? 人と人とを結び合う言葉の限りない可能性をハートフルに描いた青春小説。
内容説明
OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年、東京生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年独立後フリーランスのキュレーターとして活躍。05年、「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
2289
新規開拓…のつもりが『ランウェイ☆ビート』が無自覚で既読だった。とにかく良い。少なくともここ5年くらいで一番心温まる本だった(そういう系統の物語をチョイスしようとしない自分のせいでもあるが)池井戸作品を女性目線にしてスタイリッシュにして登場人物の平均年齢を10歳以上引き下げて人間模様を多目にした感じ、ともいう(笑)つまり面白くないはずがない。"良いスピーチ"を文章で表す事自体、作家にとって物凄く勇気がいると思われるが、原田さん見事。惜しむらくは、現実世界の政治がグダグダ過ぎて物語を裏切っていった事か。2016/08/28
馨
2090
言葉の持つ力の凄さ。良くも悪くも私たちは色んなスピーチを色んな場所で聞いてきたことがあるけれど、眠いものもあれば惹き付けられるものもある、同じような内容でも声のトーンや抑揚で随分と印象が変わるのだと思いました。久美さんの仕事のプロフェッショナルレベルが半端なくかっこ良かったです。2018/08/08
ehirano1
1729
こんなにも終始目頭が熱くなったのは本書が初めてです。腹いっぱい、胸いっぱい、元気いっぱい、そして幸せいっぱいになれた本書。お勧めです。2017/09/17
鉄之助
1524
冒頭の結婚式のシーンで、持って行かれた。ダリの絵のように輪郭がぐにゃぐにゃになるほどの睡魔に襲われる、つまらないスピーチ! 私もあるある、こんな経験。「最初の静かな一言と、最後の情感のこもったフレーズで、聴衆の感動のふり幅が決まるの」。スピーチ原稿を整えるプロの物語だった。確かに、「演説で世界を変えた」人々はいた。キング牧師、ケネディ、スティーブ・ジョブス…。しかし、話は、実物が連想される政治家や政党、企業が登場し、小さくまとまった感が強まり、面白さは半減。最後までのめり込めなかった。2019/03/26
ろくせい@やまもとかねよし
1463
傑作。これほど感動をもたらした物語はなかった。人間個人の自己は他者なしでは成り立たないことを心に響かせた原田マハさんの筆力に感服。自己が発する利他的思いやりは、ある程度想像できる。しかし、原田さんの文章は、意識の中の想像になかった利他的思いやりを否応なく喚起し、感動を引き起こす。字面ではない。それに嫌味もない。読了後、人間の主体的に感じない情緒的な思いやりが存在すると思惟。スピーチの「本日は、お日柄もよく」「最後にもう一度、言わせてください」は忘れられない。心を大きく揺さぶってくれた原田さんに尊敬と感謝。2016/03/03