内容説明
次期将軍の座をめぐり火花を散らす、紀州徳川、甲府徳川、館林徳川の三家。紀州藩主徳川頼宣は将軍家綱の大奥に刺客を忍ばせ、虎視眈々と頃合いを窮う。一方、館林家は黒鍬者を差し向け、頼宣排除に乗り出した。さらに甲府家は事態の混沌に乗じ、館林の黒鍬者の引き抜きを企てる。風雲急を告げる三つ巴の争い。かつてない危機に瀕した家綱を守れるか。お髷番深室賢治郎の小太刀が奔る。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業。現在、大阪府下にて歯科医院を開業。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に『孤闘立花宗茂』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
82
お髷番承り候「鳴動の徴」 6巻。紀州徳川、甲府徳川、館林徳川、それぞれの思惑と陰謀が表面化してきましたね。2021/12/08
オーウェン
44
6作目は5代目将軍を狙って、本格的に三つ巴の跡取り争いが始まる。 お互いが貶めようと大奥に女を送り込んだり、互いのトップを忍びで襲撃したりなど。 冒頭から腹違いの兄主馬が混乱をもたらそうとする。 そして頼宣と親交を深める賢治郎の下に、暗殺を巡るやり取り。 これによって賢治郎は三弥の愛に気付かされるという展開が上手い。 そしてラストではある人物が命を狙われ、次巻へと。2023/08/03
nyaboko
12
今巻も賢治郎は可愛かった! 話の本筋では賢治郎はちょっと蚊帳の外で、今回は甲府と館林がメイン。あと紀州の内紛。上様回りが騒がしくなるのは次回かな? 個人的に三弥との「女に言わせるの?」「じゃあ!(`・ω・´)」「でも婚前はダメ」「(´・ω・`) ハイ…」のやりとりに大爆笑www ほんといいように振り回されてて可愛いなぁw この二人は殺伐としたこの本の癒しですね。ニヤニヤ。2013/04/28
sken
11
相も変わらず権力を狙って様々な思惑が絡み合い、将軍の月代をゾリゾリしながら頑張っている婿養子の主人公。今回剣戟シーンとしてはかなり格下の黒鍬くんをさっくりと倒してくれますが、やはり怖いのは大人たちの思惑っす。正直なトコ、なんとか院がなんとかの守に命じていろいろやらせるんだなぁ、くらいの理解力だったりしますが、そこはそれ、雰囲気で読んでいるので結構平気っす。しかし毒を盛られたエライさんの腹をガスガス殴る主人公はいいっすねぃ。その後の大人の対応なんかも楽しめましたぃ。2013/06/18
chacha
10
シリーズ6 紀州の頼宜と光貞の親子対決は頼宜が何枚も上手でしたね。その頼宜の危機を救ったのが賢治郎。その恩返しは婿養子の地位を固めること。三弥との婚礼を決めてしまいましたね。賢治郎は三弥に惚れたんですね。家綱の言葉で自分の気持ちがわかるなんてねぇ~。三弥は賢治郎から父に頼んでほしかったのですね。女心はまだまだ理解できない賢治郎ですね。頼宜が天下の主となると気持ちを固めました。さてこれから どうなるのでしょうか。結果はわかっていますが 先が気になります。2017/08/14