内容説明
紀州藩主徳川頼宣が出府を願い出た。幕府に恨みを持つかつての大立者が沈黙を破ったのだ。老中らに緊張が走る。四代将軍家綱に危害が及ばぬよう目を光らせるのは、お髷番にして風心流小太刀の使い手、深室賢治郎。頼宣の想像を絶する企みとは―。骨肉相食む、甲府と館林両家の将軍後継争いも収束の気配を見せず、さらに大奥では刺客が蠢く。相次ぐ天下の大事。賢治郎は打破できるか。書下し時代長篇。シリーズ。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業。現在、大阪府下にて歯科医院を開業。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に『孤闘立花宗茂』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
74
お髷番承り候「傾国の策」4巻。紀州藩主徳川頼宣が江戸に向かう、幕府に恨み持つ知恵者頼宣の策がどう出るのか、家綱の信頼厚く心許せるお髷番賢治郎がどう立ち向かうのか緊迫次巻かな。 2021/09/29
オーウェン
49
4作目は紀州藩から遂に徳川頼宣が出府してきた。 新たな脅威に将軍家綱はお髷番の賢治郎に動向を探らせる。 それと同時に後継ぎを狙う大奥の桂昌院と順性院が仕掛けてくる。 板挟みになる賢治郎は駆け引きの中心へと躍り出る。 相変わらず気苦労が絶えない賢治郎だが、ラストには刺客に対し師匠と共に迎え撃つ場面が。 そして松平伊豆守信綱が生を全うし、政は新たな局面へと向かう。2023/07/20
Tatsuhito Matsuzaki
12
シリーズ第4作。 将軍職奪取を目論む徳川頼宣がいよいよ江戸に。甲府と館林両家もそれに加わり、賢治郎の回りは敵ばかり。 そこに登場した剣術の師匠の厳路和尚はとてつもなく強く、やっと大きな味方が!と思った途端、後ろ盾でもあった松平信綱が逝去した。哀しみに暮れる将軍家綱を賢治郎は守り抜くことが出来るのか? シリーズは次作に続きます。 #根来衆 #丸橋忠弥 #水戸 #今日の一冊 2024/05/21
だいしょう@SR推進委員会
12
駆け引きの「か」の字も知らない主人公がただ踊らされてしまう話に終始した巻。ただ本人の思いつきの行動が周りの思惑を呼ぶ展開はなかなか面白い。裏のある人間は何事も裏を勘ぐるということか。それにしても、将軍の個性が希薄に感じられる。同じ作者の他のシリーズの将軍たちに比べると凡庸感は否めない。それも織り込みずみの設定かもしれないけれど。主人公を見守る幕閣が消え、頼りになりそうもない将軍のそばにいて、どこまでがんばれるのか、賢治郎。…なんだかんだといいながら、やっぱり、次巻に期待を持ってしまう自分に気づいたわ…。2012/07/18
はかり
8
シリーズ4巻目。紀州の頼宣がいよいよ江戸に向かう。家綱の命を狙うのか。それにしても、頼宣は知恵もまわり、格もある。賢治郎が太刀打ちできるのか。次巻が楽しみ。2018/09/22
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