内容説明
巨匠・山田風太郎が、歴史に名を残す著名人の死を、亡くなった年齢の順番に描いた、不朽の名作の新装版、121歳の泉重千代をもってここに終幕。923人の死に様、そして生き様に、あなたは何を思うか。
目次
ハイドン
鳥居耀蔵
河竹黙阿弥
ロダン
犬養毅
出口王仁三郎
シェーンベルク
五島慶太
広津和郎
徳川夢声〔ほか〕
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年、兵庫県生まれ。推理小説、時代小説、忍法帖、明治ものなどで名を馳せた、戦後日本を代表する大衆誤楽小説の大家。2000年、第4回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイス
85
死にも死んだり、実に923名の古今東西著名人の臨終絵巻、堂々の完結!人の死に様を知るということは人の生き様を見るということ、いつ訪れるかわからない我が臨終のときに備えて、よく生きよう、と思わせられた。世界に誇れる名著ではないか。鈴木貫太郎と岡田啓介は「老害ならぬ老益もあるという稀有な一例」。人間宣言した天皇に代わり天皇宣言した璽光尊、組閣し厚生大臣に双葉山とは…!必読の本とも出会える。この巻では『蘭学事始』『養生訓』『フランクリン自伝』あたり。何しろ情報量が膨大、普通に人物事典として本棚に置いておきたい。2023/09/25
鱒子
81
最終巻。77歳〜百代まで。シニカルで痛快な山田風太郎節、楽しませていただきました。鳥羽僧正のところは声をあげて笑ってしまいました(人の死を扱っているのにねぇ……)。夫人が亡くなったあと急にガックリくる男性は多いなぁ。女性は逆のことが多いけど(あくまでわたしの身近な例です)。巻末の名解説は、筒井康隆氏。もしも本作の番外編が望めるなら、ロックミュージシャン編なんてのを読んでみたいです。2021/08/21
Sam
60
何とも不吉(?)なことに「臨終図巻」が今年の初読み本になってしまった。去年の読み納め本にするはずだったのに後から読み始めた「黒牢城」に追い越されてしまったせいである。まあそれはいいとして、この「人間臨終図巻」、なぜ最後までこんなに面白いのか?人間はそもそもどんなふう死を迎えるのかという興味に加えて、「この人ってこんな死に方したのか!」という驚き、そして風太郎先生のときにシニカル、ときに優しい眼差しが魅力といったところだろうか。最後の登場は泉重千代さんでした。手元に置いてときどき読み返したくなる本。2022/01/03
もりくに
37
77歳から121歳の泉重千代さんまでの「死にざま」の記録を、山田風太郎さんが批評を交えながらまとめたもの。70歳を過ぎた私には、すべて手本になるもの。長命にになるにしたがって当然だが、「大往生」が増えてくる。しかし、ほとんどが、男性なのが残念だ。印象に残った人、何人か。私の好きな俳優の志村喬さんは、つらい治療に耐えながら、仲の良い夫婦だったので、ずっと目で奥さんを追いながら、最後は手を取り合って、うなずきあったという。89歳で死んだ葛飾北斎の辞世の句。<ひと魂で ゆく気散じや 夏の原>2018/08/17
金吾
29
○平櫛田中等大往生だなと思える人が多い中、フォード1世はかなり印象に残りました。山田風太郎の一言も結構面白かったです。2025/04/18
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