内容説明
江戸城中で熊本城主細川越中守宗孝に寄合旗本板倉修理勝該が刃傷に及んだ。大目付の吟味により、勝該は切腹して果てたが、納得しかねた九代将軍家重は吹上庭番支配頭・三田村元八郎に刃傷事件の真相究明を命じる。やがて事件の背景に徳川家最大の秘事が潜むことを突き止めた元八郎。しかし露見を恐れた大御所徳川吉宗の非情な決断により、刺客が忍び寄る。壮絶きわまる暗闘のゆくえは。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業。現在、大阪府下にて歯科医院を開業。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に『孤闘 立花宗茂』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オーウェン
52
江戸城で起きた刃傷沙汰。 この真相を解き明かすため家重は元八郎に解明を命じるが、大御所の吉宗はこの秘事を世に出してはならぬとばかりに、刺客を向ける。 かつての殿様と家来が敵同士になるという江戸時代の非情。 そして現れる天草忍びの集団と、宮本武蔵の流祖を受け継ぐ二刀流の遣い手が立ちはだかる。 今作はかなり戦いの場面が多く、元八郎もあわやのシーンが何度も訪れる。 宮本の再登場は次巻以降あるのだろうか。2023/05/22
はかり
15
シリーズ3巻目読了。今冊は徳川の秘密を探るため、元八郎は遠く島原まで出張る。道中はもとより行く先々で忍びとの厳しい戦いが見もの。あげくは朝鮮通信使と合流し、護衛も兼ねて京まで一緒となるが、おおむね謎は解けた。徳川と切支丹との深い関係、春日局との関係などがこじつけがましく解説される。こういう見方もあるだろう。2021/03/10
woo
5
次から次へとよく題材を考えつ付くが、ツボをしっかり押さえてるのでつい読んでしまう(笑)2020/12/10
ひかつば@呑ん読会堪能中
3
前作から9年後の九代将軍の治世下、幕臣でお役についていた元八郎に新たな命が下るのだが、元同心が9年たって見事な忍びになっていることに驚きより戸惑いがあった。それにしても春日局はまだ判るが宮本武蔵はねぇ。。まぁ面白かったからいいけど、次はどう展開させるのか楽しみ。2012/06/02
あかんべ
3
うーんシリーズの終わりってこうこなくちゃ。と思っていたら、あら、4があるのね。完結しちゃったって思った。出来すぎの将軍吉宗の後継でダメダメの家重。と思っていたが、いやいやなかなか愛すべき人ではないか。元八郎と一緒に守ってやりたくなった。2011/10/31