内容説明
惚れた男を庇って、明後日に火炙りとなるおりくは、勘兵衛が十三年前に捕まえ、改心させたはずの元掏摸だった。妊婦がゆえ牢屋敷で赤子を産んだが、囚人は不浄なため抱かせてもらえぬ身。憐れんだ勘兵衛は伝を頼っておりくに会い、名付けはさせてやれたものの、父親の素姓は聞けず終いだった―。救えぬ口惜しさに満ちる勘兵衛は、刑が済んだ小塚原で、深編笠の怪しげな侍を目にし…。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。早稲田大学卒業。花鳥風月を醸し出す筆致で描く時代小説には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベルるるる
18
今回は、「薊の隠居」こと南町奉行がたびたび登場。お風呂で待っているのがわかると、がっくりしてしまう勘兵衛が愉快。でも、お奉行の力も借りつつ、巨悪に立ち向かう勘兵衛がかっこいい。2017/05/30
てんぱい
7
このシリーズでは初の外国人が関わる話。やはり異国の剣はいかな鯉四郎でも勝手が違ってやりにくいか。2013/09/21
M2
5
勘兵衛の優しさと侠気に爽やかな感動を覚えつつも何か儚げなものをも感じてしまうのは静さんの失踪の謎が明らかになっていないからかも。このままずっと夫婦寄り添って過ごしていって欲しい。婿さんも頼もしくなったし孫ももう1人2人できるといいな。今回は薊の隠居の出番が多くて個人的に嬉しかった。2011/11/25
だいしょう@SR推進委員会
4
さえないおっさん同心なんです。のんきに江戸の町を歩いて、「うぽっぽ」(うかれてる無能役人みたいなもの)と町民にからかわれても、平気のへいざです。腹は出てるし、運動神経は悪かありませんが、力技はデキル娘婿の鯉さんに頼りきり。それでも許せない悪人には身体張って挑みます。そこを奉行根岸肥前守に買われ、今回は奉行と組んで大暴れしてます。うぽっぽのハンパでない男意気を感じてください。愛妻一筋もポイント高いです。2011/08/08
ふわぽん
3
還暦まであと二年とは思えない今までに無いくらい動きのある うぽっぽ様 にビックリしました。2011/08/09
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