内容説明
歴史書『日本外史』で幕末の若者達を尊皇へと傾けた文化文政期最高峰の文筆家、頼山陽。その人生は、儒家の大家である厳格な父と父が信奉する幕藩制度への反抗から始まった。放蕩の末、二十一歳で脱藩、家を断絶寸前に追い込んだ青年山陽に翻弄される頼一族。だが「都に出て文筆家として名をなす」という山陽の夢をいち早く理解し応援したのは母の静だった。第27回新田次郎文学賞受賞作。
著者等紹介
見延典子[ミノベノリコ]
1978年、早稲田大学在学中に『もう頬づえはつかない』を刊行。大ベストセラーに。『頼山陽』で2008年、第27回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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POCHI
3
実は実家が頼山陽ゆかりでありまして、それだけの理由で興味もないのに購入。 いい意味で期待を裏切り、かなり楽しめました。 当時の制度に反発する山陽、ただのジコチューではありますが、それなりに成長する姿、時折プッと吹き出してしまうオヤジギャグ並のジョーク、続きも楽しんで読めそうです^^2011/08/08
arihana
0
面白い!まさか頼山陽があんな破天荒な人だったなんて驚きでした。続きがとても気になります!2016/10/14
猫草
0
広島人なので昔から名前だけは知っていた頼山陽。意外と人間臭く酷いオトコだった。面白い〜〜さっさと次を読みたい。2015/11/26
YF
0
自分の進みたい道を進む。頼山陽の生き様を知ることが出来た。2022/09/05
ひらり庵
0
頼山陽は「風雲児たち幕末編」にもなぜか登場しない。本書が小説で頼山陽を描いた初出と思う。今後、これが人物像の基本になるだろう。上巻は、頼山陽が周りを不幸にしまくって、自己実現していくだけの話で、主人公視点だからまだ読めるが、被害者視点からなら、周りが彼を甘やかしているとしか見えない。特に玉蘊はかわいそすぎ。才能のある嫌な奴の話を不思議と読ませるのは、作者が女性であることと関係あるかも。男性作家ならもっと嫌な話になったと思う。この手の小説にありがちな、学識を誇示する蘊蓄の記述がないのも、ありがたい。2018/09/06
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