内容説明
「革命」という言葉が日本で現実感があった1960年代後半、全国各地で革命運動に燃えた多くの若者たちがいた。やがてキューバ革命にシンパシーを感じていた「赤軍派」と毛沢東に強く影響を受けた「革命左派」が接近、「連合赤軍」を結成。波瀾の運命へと突き進んでいく。アウトローノンフィクションに定評のある著者が描く渾身の青春群像巨篇。
目次
序章 幹部と兵士の「あさま山荘」
第1章 赤軍派誕生
第2章 広がる革命闘争
第3章 よど号ハイジャック作戦
第4章 変容する革命左派
第5章 総括の山
終章 山荘へ
著者等紹介
山平重樹[ヤマダイラシゲキ]
1953年山形県生まれ。法政大学卒業後、フリーライターとして活躍。著書にベストセラーとなった「ヤクザに学ぶ」シリーズほか多数。「残侠」「愚連隊列伝 モロッコの辰」など映画化、Vシネ化された著作も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
26
連合赤軍の興廃がわかります。学生運動のイメージは庇護された立場の学生たちの革命ごっこというものでしたが、まさしくその通りだと印象づけられました。森、永田、坂口のような責任感のないヒステリックな指導者たちの幼稚性が陰惨な事件を導いたと思います。何故このような人がリーダーになるのかを考えさせられました。2022/04/01
リオ
13
途中何度も投げ出したくなった。 革命と言う言葉はあの時代の若者にとっては途轍もなく甘美な響きだったんだろう。 自分たちの信じる正義に向かっていく様は青臭く独善的で、まともに働いたこともないのに何を偉そうに労働だの人民だの言っているんだと辟易した。 でも、そこに向かう気持ちだけは読み取れた。 それが自己保身と総括と言う悪魔の言葉によって仲間をリンチいて行く事になるなんて。 なんと狭い世界で大きな事を言っていたんでしょうね… 集団心理の恐ろしさか。 あさま山荘の章は何故か開放感すら感じてしまった。2015/10/16
yomomo
12
革命ごっこの部活動のような学生運動が一部で何を勘違いしたかかくも凄惨な事件に発展した。中二病もこじらすと命に関わるということか。今年はあさま山荘事件から50年ということなので読んでみた。2022/03/15
ラミウ
11
学生運動が盛んだった当時の若者達が何を考え行動し、あの結果に至ったのか。「革命行きと書かれた、実は目的地不明の電車にあの頃の若者は乗っていたのだ」との一文が印象に残った。「山岳ベース事件」を筆頭に、彼らが起こした事件は気違いじみたものばかり。「こうあらねばならない」という思想に絡まり、追いつめられ、正当化することで逃れる浅ましい姿。結局頭の良さなどでは人を救えないのだと思った。心が弱ければ、脱線し、挫折し、屈折する。つまりは現代においても、誰もが彼らのようになりうるのだと、同時に感じた。2017/05/15
藤瀬こうたろー
11
著者がアウトローを描き慣れてるというのもあって難解になりがちなテーマが読みやすくて良かった。それにしても、序盤の高揚と終盤につれての虚しさの落差はなんとも言い様がない。いつの時代も先鋭化、過激化こそが思想の昇華と考える愚者は必ずいるもので、これに森恒夫、永田洋子という狭量な人物が指導権を握ってしまった事が悲劇をさらに加速させたと言っていいだろう。森も「総括」の中で自分の立場を維持していくしかなかったんだろうけど、その踏み台にされて結果として革命ごっこ扱いで終わってしまい、死者たちは無念だろうなあ。2013/12/30
-
- 電子書籍
- にわか令嬢は王太子殿下の雇われ婚約者 …
-
- 電子書籍
- The Story of L’OSIE…