内容説明
本所深川では、晴れた日でもびりびり雷が鳴る。それは、黒猫そっくりで「にゃん」と鳴く、雷獣なる妖怪の仕業だそうで。しかもこの雷獣、まだ小さいので童女に守られていたりして…。お江戸を守る妖怪改方の若き同心・冬坂刀弥とその許嫁の八歳児・統子、そしてちびの雷獣クロスケが繰り広げる大捕物&食楽絵巻!お江戸を騒がす大盗賊善鬼との戦い、そして天ぷら対決の行方は…。
著者等紹介
高橋由太[タカハシユタ]
1972年、千葉県生まれ。『新・本格推理』(光文社)掲載を経て、2010年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉として宝島社文庫よりデビュー。デビュー作『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アルピニア
57
私の好物の妖しもの。江戸時代の本所深川を舞台に、妖しを取り締まる妖怪改方(ようかいあらためがた)のゆる~い(笑)活躍を描いた物語。妖しが人間の生活にさりげなく関わっている感じが心地いい。か~るくサクサク読めてフムフム、なるほどね~で終わるかと思いきや、「包丁幽霊」でお園さんの指摘した成仏しない理由にホロリとさせられ、善鬼の幕府転覆の企みが気になり、このシリーズ読まねば・・。と見事作者の術中に陥りました(^^ゞ今のところ、三巻出ているようなので、読み進めようと思います。2018/11/18
ちはや@灯れ松明の火
56
蛇の道は蛇、毒を以て毒を制す、お江戸に跋扈する妖怪捕物は妖怪亡霊改方にお任せあれ。しかしながら妖怪にも諸事情あり、人で溢れかえる町に押し遣られて住処を失くせば鬱屈して暴れるのもまた道理。ならば仕事を、居場所を与えてみては如何かと。妖怪改方の手下として闘う毒舌子鬼カタナ、半人前の黒猫型雷獣クロスケ、寂しんぼ剣豪黒天狗、飯屋下働き三人衆の河童(食材調達及び調理担当)・落ち武者(包丁担当)・火の玉(加熱担当)…まぁ、適材適所ってことで。人と妖、町の平和と江戸っ子の胃袋の満足のため、今日も妖絡みの事件を追う。 2011/04/27
ポチ
54
妖怪が江戸庶民と一緒に普通に暮らしている世の中。悪さをする妖怪と妖怪改方のほのぼのしそうなゆる〜い戦い。いつかクロスケは覚醒するのだろうか⁈(^^)2018/11/30
はらぺこ
54
クロスケは『びりびり』やなくて『びびり』ですね(笑) あとがきを読むと主人公はクロスケの様ですが『火鬼』ぐらいまでオマケみたいな存在なので刀弥が主人公やと思ってました。とてとてにゃんにゃん(笑)2012/06/13
酔拳2
49
江戸物で妖怪が出てくるやつって、結構ある。でもってみんな面白い。江戸×妖怪ってのはいける方程式なんだな。本書は大江戸あやかし犯科帳で、主人公が妖怪幽霊改方、という鬼平を彷彿とさせる設定と思ったら、作者が鬼平好きらしい。まあ、嫌いな人を聞いたことないけど。シリーズものらしいから、都度都度読んでみよう。2018/11/04