内容説明
将軍の身体に刃物を当てることが唯一許されるだけに、かえって絆が深くなるお髷番。四代家綱は、秘命を託すのに最適なこの役に、かつてお花畑番として寵愛した深室賢治郎を抜擢した。謹慎が解け、帰藩する紀州大納言徳川頼宣の「我らも源氏でございます」という言葉の真意を探らんがためだった。務めを遂げんとする賢治郎の前に、将軍位奪略を巡る徳川家重鎮らの姦計が立ちはだかる。
著者等紹介
上田秀人［ウエダヒデト］
１９５９年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業。現在、大阪府下にて歯科医院を開業。９７年に「身代わり吉右衛門」で、桃園書房主催第２０回小説クラブ新人賞佳作となる（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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とし
82
お髷番承り候 ｢潜謀の影｣1巻。徳川四代将軍家綱は次期将軍継嗣の秘命を、お花畑番として寵愛した深室賢治郎お髷番として任命し探索を命じる、今後色々な問題に巻き込まれていく賢治郎、自身にも婿養子に出され様々な問題を抱えるが、どんな展開になっていくのか楽しみです。 2021/03/03
オーウェン
47
お髷番とは将軍の髷をセットし、髭を剃るという役目。 要は美容師なのだが、江戸時代将軍に向けて刃物を向けるのだから、これは選ばれた者でしかできない。 時は徳川四代目将軍家綱の時代。 その家綱と幼き頃に親しかった、深室賢治郎が抜擢される。 その裏は家綱と密命を唯一交せるから。 はじまりからすでに奸計を向けられており、将軍を巡る争いは大奥へと発展していく様。 果たして賢治郎は陰謀を防げるのか。続きを見届けたい。2023/06/25
Tatsuhito Matsuzaki
12
「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズ以来の上田秀人さんの時代小説シリーズ第一作。 将軍の身体に刃物を当てる事が許されるお小納戸月代御髪係（お髷番）に抜擢された深室賢治郎が、将軍位略奪を狙う強敵と闘う。 出だしで敵だと思わせた紀州大納言頼宣が、意外な立ち位置であったり、松平伊豆守が流石の知恵者だったり、日本史&武将好きにはいろいろな読み方が出来る作品です。 #密命 #家綱 #家重 #綱吉 #頼宣 #義直 #頼房 #徳川家康 #春日局 #今日の一冊2024/05/13
海猫
11
一巻から風呂敷広がってシリーズの成長に期待大2010/10/06
はかり
9
上田のシリーズもの。上様の髷を結う仕事とは珍しい。いつもの小気味良いストーリーを期待しているが、初冊とあってかどうもすっきり馴染めない。これから調子を上げていってほしい。春日局が出てきて話がどう転ぶのか。2018/09/18
