内容説明
品川で破落戸(ごろつき)に絡まれていた小間物問屋の主徳兵衛を救った楽太郎。旅籠で謝礼の酒食にありつくも、なんと主の巾着はスッカラカン。楽太郎を人質に付き馬と一緒に帰ったはいいものの、どうしたわけか二人とも行方知れずに…。お代が支払われるまで、厄介者になってしまった楽太郎。が、次々に持ち込まれる旅籠の事件をバッサバッサと大解決!書下し活劇。
著者等紹介
芦川淳一[アシカワジュンイチ]
1953年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。出版社勤務を経て、作家デビュー。滑稽さに心の機微を巧みに映す筆致が好評を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひかつば@呑ん読会堪能中
2
名を隠す凄腕だが惚けた浪人楽太郎の第3巻。今回は「居残り佐平次」よろしく品川の旅籠に居候し、女中の娘の神隠しや宿の若旦那の駆け落ち、奇妙な客が実は盗人、と、居残りしながら飄々と捌いてしまうところが何とも面白い。この楽太郎がなぜ偽名を繰り返したのか、最後に明かされたのは本巻が完結編なのだろう。もう少し続けて欲しかったが、ここで終わらせたのもマンネリにならずよかったのかもしれない。2013/01/19
M2
1
商家、お寺の次は女郎のいる旅籠での居候。舞台の珍しさもあって面白かったけど、馴染みになったキャラとの交流が好きな私としてはこのシリーズの一巻ごとに場所が変わる趣向は少し寂しい。殿や小春はお久や伊助、徳兵衛とももっと知り合いたかったのに。2011/06/24
沼田のに
0
血走っていた十年前の楽多郎と比べれば、逃亡期間中に随分と鷹揚になったのには何か大きな出来事があったような気がするが、それを書いたら別のジャンルの読み物になってしまうんで書けない気がした。今回の旅籠の軟禁はうまい設定だと思う。しかし「朝露の楽多郎」バージョンはなしなの?7/102013/09/24
Suzu
0
楽多郎シリーズ第3弾。破落戸に絡まれてた爺さんを助けた楽多郎は品川の旅籠に連れていかれ歓待される。しかし翌日になって財布の中身がないといい出す。新手の詐欺かと思いきや家まで取りに行くから付き馬も一緒にと出掛けて行った。その間、楽多郎は旅籠に留まることに。そして例によって厄介ごとが持ち込まれる。最後に楽多郎に起きた10年前の出来事が明かされ、また旅に出ることになる。これで終わりなの?続けばいいのに。2021/06/05