内容説明
大垣藩士・間宮十蔵は下士ながら類まれな画才の持ち主。だが、前藩主の側室だった幼なじみに一枚の絵を描き与えたことから、その才をねたむ者に狡猾な罠をしかけられる。表題作ほか、心を寄せた女のため、禁を破って金を作ろうとする西陣織職人を描いた「霧の中の刺客」など、しがらみの中で懸命に生きた男女に光を当てた傑作集。
著者等紹介
澤田ふじ子[サワダフジコ]
1946年愛知県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
14
ここに描かれている武士の生活、職人の生活、公家の生活のありようは、現在の我々の生活のありようと、それほど変わる所がない。登場人物の一人一人の心情に、現代人のそれを重ねて見ていく事が出来る。2006/12/21
あかんべ
2
表題の作品は、最後のあらましは詳しく書かれていないが、さっぱりした後味。だが西陣にまつわる最初と最後の話は、ただただおそろしい。2017/01/03
オレンジ。
2
読みなれた澤田さんらしい一冊。2014/12/15
kayoshi
0
★★★★★ 藤沢周平に通じるものがある、面白かった2009/10/23