内容説明
総兵衛行方知れずの報を聞いた柳沢吉保は大黒屋への攻勢を強める。若い衆への襲撃、取引先の殺害などゆさぶりは執拗をきわめた。当主不在で乱れる中、仮当主として大黒屋を切り盛りする美雪は長男春太郎を出産。一族はつかの間の喜びに沸く。そのころ総兵衛は…。漂着した無人島で大黒丸の修理を終え、はるか南の交趾(ベトナム)へ向かっていた。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。デビュー作『闘牛』以後、スペインをテーマにした作品を発表。その後時代小説の分野に進出して、平成を代表する時代小説作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えぐ@灯れ松明の火
4
無人島で半年、、、本当はヨサク並に壊血病で死んじゃうんじゃないかとか余計なことばかり考えてしまった。 鎖国で東南アジアの国々に残らざるを得なかった人は実際いたんでしょうね。 その人たちの物語を読んでみたい。2011/06/12
kazu@十五夜読書会
2
<読メ登録以前に読了。>古着屋総兵衛影始末シリーズ第10弾。琉球沖の大黒丸遭難で総兵衛以下、又三郎、駒吉など主だった人材を欠いた富沢町大黒屋を柳沢吉保の魔の手が襲う。その陰湿残忍な手口に身重の美雪はある決断を下す。一方、総兵衛は海賊カディス号との戦いで、操縦不能となり南洋の孤島に流れついた大黒丸の修理と改造を果たし、針路を交趾(ベトナム)へ取った。かの地には寛永以前に多くの和人が渡航し、日本人町の記録もあるというのだが…。「BOOK」データベースより。徳間文庫新装版2008年5月15日発売初版購入。2012/09/10
昌子♪♪
1
そそそ総兵衛様ーーー(;´Д`)💦そりゃあないわぁ~!2019/04/23
いちのつぼ
0
なんだかなー。つづく。2013/07/22
ベルるるる
0
総兵衛がベトナムであっさり、現地女性との間に子供を作って、心底がっかり。江戸で夫を待ち、一人で子供を産み、店を守り、陰で泣く美雪がかわいそう・・・こんな感想は私が女だからかな。男性なら、これを読んでもあっさり納得するのかな。最後の帰還を読んでも、美雪との再会はあっさりだし・・・。おまけに新シリーズの「血に非ず」を読んだら、大黒屋の跡継ぎは、なんとこの時のベトナムでできた子供の子孫。あ~あ・・・2012/10/23