内容説明
世間に知られたくねえ他人様の秘密を探りやす―影聞きで鳴らすどぶ鼠の伝次は、飛脚商兎屋の浮世之介に男惚れ。奇妙な髷にかぶいた風体。女房子持ちで喧嘩は上手い。端唄も謡えば酒も呑る。情にはもろいが通らぬ筋は一刀両断。天に代わって悪を成敗仕る…。ふうわりふわりな浮世之介に人はみな、夢うつつへと誘われ、心の縺れを解きほぐされる。傑作風流活劇。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。早稲田大学卒業。花鳥風月を醸し出す筆致で描く時代小説には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tatsuhito Matsuzaki
13
影聞き(浮気専門の探偵)の伝次が出会った飛脚商の親方 #浮世之介 は、傾いた風体で日々風流に生きているが、事が起こると勧善懲悪一刀両断、こんな漢に皆が惚れる。 落語&講談のような文体がふんわり柔らかく温かさを感じる小説に仕上がっています。 う〜ん、まるでジョージ秋山の漫画「浮浪雲」をリスペクトしたような…という野暮な邪推&批評はさておいて、本編最後の青穹に浮かんだ浮浪雲が心を優しくしてくれる爽快書下しシリーズ第一作でした。続編が楽しみです。 #飛脚 #影聞き #兎 #狢 #つばくろ #今日の一冊 2024/03/31
Masayoshi Arakawa
1
20141221108 坂岡さんの6シリーズ目の始まり、始まり。このシリーズは今までと違い町人が主人公、武士の世界とは違ったものを期待。 『「耳に沓口には烏帽子目に甘茶。さあ、さあ、初物競べにござい」と・・・。香は香手鳥とも呼ぶ不如帰、烏帽子は鰹の別称、そして、灌物仏会に施される甘茶で目を洗うとよいとされている。』と川柳をつかっての初物を知る、いつも勉強になります、感謝。2014/12/20
すえ
1
やっぱり時代物が好きだなぁ。影聞きの人の変わり方がいいなぁ。生き方が変わるような出会い。浮世雲は不思議ですね。(★★★★☆:繰り返し読みたい本)2012/04/20
雅
0
読みやすいよ2017/07/14