内容説明
潘金蓮・李瓶児・春梅ら、妻妾八人の女たちと限りない淫蕩に耽る薬屋の若旦那・西門慶。嫉妬、裏切り、陰謀が渦巻く哀切極まりない人間の業を描いた天下の奇書・金瓶梅。従来訳での削除・未訳出箇所を復活させ、より楽しみやすくなった新訳。
著者等紹介
土屋英明[ツチヤエイメイ]
1935年、兵庫県生まれ。早稲田大学文学部卒。映像製作会社を退社後、文筆家。中国の文化と文学を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小竹
2
中国四大奇書に数えられる作品。金満家の西門慶が妻妾や使用人、街の女や男までとにかく誘惑して回る話。登場人物も外見は美しくとも倫理的な問題を抱えた人たちばかりで読んでいて全く感情移入できる箇所が見当たらない。言ってしまおう、奇書ではないただの猥褻本。中国には伝統的に恋愛小説が育たなかったという指摘をどこかで読んだことがあったけれど、そういう土壌が却ってこういった極北を生んでしまうのか。平易を通り越した日本語訳が直截的にすぎてまた凄く、とても電車の中で読めない。明代妓楼の文化を知るには良い面もあるけれど。2018/09/09
Auristela
2
金瓶梅を読んで同情した私は菩薩かもしれないが、決して慈悲深い菩薩ではないと思う。2017/06/18
Himajin
2
西門慶すごすぎる・・・。女同士のもっとどろどろした昼ドラの様なものだと思ってたけど、意外にみんな仲良くやってたりして、それが妙にリアルだったりする。こんなとこにはヨメに行きたくないな。2010/05/05
Freak Zappa(アレクセイカラマーゾフという名で音楽活動してたよ)
1
とにかく西門慶が死んで欲しいと思う小説 笑■読んでる時は不快なんだけど、読後してしばらくすると『金瓶梅…凄かったかも…』となる■←この感覚は『限りなく透明に近いブルー』手塚治虫『ムウ』フォークナー『八月の光』とかでも感じた■元となった水滸伝を読むと、よくここまでの分量書いたな…と二次創作の熱量に感動する■食事や服装等の描写が文化学者の人達に重宝されてるらしい2024/04/15
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