内容説明
昭和十年頃、日本から中国に渡っていた新聞記者は大の猫嫌いで、あるとき猫を斬ってしまった。以来、夜中に不思議なことが起こりだした。玄関のドアが叩かれ、「電報、電報!」の声がする。とうとう覗きみたその姿は…。後に有名になり、日中の新聞雑誌にも採り上げられた話である…―猫はやっぱり只者ではない?愛すべき恐るべき小悪魔の正体教えます。
目次
愛猫篇―かわいすぎる彼らの生態の秘密(和猫(日本猫)たちが消えていく
平安時代にはもうペット
大女優の尻を撫でたヤツ ほか)
恐猫篇―愛から不信へ。なぜ彼らは得体が知れないか(どうして猫を見ると、人は悲しく惨めなのか;三十万体もの猫ミイラ;猫だって犬かきで泳ぐ ほか)
妖猫篇―やっぱり魔性の生き物?世界の化け猫話の真贋(身の毛もよだつ中国の猫鬼;老猫飼いの大流行;ヨーロッパでは悪魔の手下 ほか)
著者等紹介
花輪莞爾[ハナワカンジ]
1936年、東京生まれ。東大卒。19世紀フランス文学を専攻し、現在は国学院大学文学部教授。作家・翻訳家として活躍を続け、芥川賞候補2回
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感想・レビュー
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わ!
1
とっとと読んで、破棄しちゃおう。…なんて感じで読み始めたのだが、思いのほか面白かった。文庫化される前の本は、題名が「猫鏡」となっている通り、「猫好き」がとにかく「和猫」を中心に書き綴った本である。とにかく圧倒されるのは、専門でもないだろうに、「猫好き」と言うだけで、驚くほど、よく猫に関して調べられているということだ。それも猫の切り出し方が、民俗学的なのだ。まさに猫のフォークロア集と呼べるような一冊になっている。捨てようと思って読んだのだが…捨てられなくなってしまった…。(^_^;)2018/11/13