内容説明
友人の家を一歩出ると、見渡す限りの大海原がひろがっていて、おれは危うく崖から転落するところだった。あわてて部屋に戻って窓の外を見ると、そこにはネオン輝く銀座の街が。ここは渋谷区のはずだが…。表題作「近所迷惑」はじめ、伏字だらけの官能シーンが話題となった「弁天さま」、予備校生と大学生の確執を戯画化した「慶安大変記」など、巨匠の傑作ドタバタ小説を九篇収録。自選短篇集第一弾。
著者等紹介
筒井康隆[ツツイヤスタカ]
1934年、大阪府生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
103
筒井さんの自選短編集・ドタバタ編を読みました🎶 一夜にして家が消えるという不条理劇他9編。どんな手段を使っても自殺に失敗する男😢…、人妻と不倫中に火事が!!🔥…、大学生と予備校生の戦争勃発👫🔫!!…、家族の前で性行為を迫る弁天様…?! ノイローゼになりつつある主人公たちに突然ふりかかった理不尽な「悩み」が可哀そうだけど笑っちゃう🤭 ブラックな読む合法ドラッグみたいで面白かった💊 筒井さんの猛毒は危険性ゼロだけど禁断症状のおまけつき🎵 また読みたいな🎯『自殺志願』が好き💕 ★42021/07/30
優希
79
ドタバタ精神が貫かれていて大変よろしい、と上から目線になってしまうくらいドタバタに徹しています。ただのドタバタに留まらず、ナンセンスさもある味わいは筒井サンならではの世界観だと思いました。常識では考えられない展開の話を作り上げるのが得意ですよね。そんな奇才っぷりが好きです。2015/12/05
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
48
読み友さんのインパクト大のレビューをみて読んでみたくなった。傑作ドタバタ小説9篇を収録。浴槽の底がアマゾン川に通じていたり、男前でエリートサラリーマンが浮気中に想定外の事態が生じてストリーキングをするはめになったり、手榴弾・機関銃・催涙弾が飛び交ったり、340歳の可愛い声の婆さんがでてきたりと、はちゃめちゃぶりに一体読者をどこへ連れて行ってくれるのやら。でも、行きつく先には、社会問題や風刺などがある。「近所迷惑」「おれは裸だ」がお気に入り。2020/04/30
たぬ
18
☆4 9本のうち半分以上は別のとこで既読。「経理課長の放送」はもはや古典だね。伏せ字だらけの文体そのものが面白い「弁天さま」、予備校対大学の「慶安大変記」といったあたりも不変の面白さだし「近所迷惑」なんてSFの大傑作だと思う。お年寄り連中が絶妙にイラつかせてくれる「アルファルファ作戦」も好きだなー。いや実際なんで年取ると話が長ったらしくなるんだろ?2025/01/09
HERO-TAKA
14
巨匠の書いた膨大な短編を厳選し、ドタバタな展開になるものを集めて一冊の短編集にした。ぶっ飛び具合は当時としては半端なかったでしょうし、今の時代でも十分通用するだろう。トンデモを書いていながら、社会問題を提起したり、ブラックジョークに仕立ててみたり……。一見はちゃめちゃながら、作者の好奇心と発想力に驚かされる。2015/12/13
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