内容説明
「かぎりなく面の皮を厚くし、徹底的に腹黒くなれ」―清末、四川省にあらわれた鬼才・李宗吾は、伝統的な儒教価値観を完膚なきまでに論破した。中国に栄光とともに大いなる停滞と閉塞をもたらした元凶だからであり、侵食を始めた欧米列強と日本の前になすすべのない中国人を救うためであった。破倫の邪説か、究極の人間学か。発表と同時に空前の論争を巻き起こした、天下の奇書『厚黒学』の全容。
目次
1 厚黒学―なぜ「厚かましく」「腹黒く」生きるのか(厚黒学;厚黒伝習録;厚黒経;わが聖人への懐疑;心理と力学)
2 厚黒叢話―いかに「厚かましさ」「腹黒さ」を貫くか(厚黒学で国家を救え;四川の日本人教師;右も左も厚黒の世の中;西洋の聖人に異議あり;世界大戦と厚黒学;儒学は厚黒学の基礎である)
感想・レビュー
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samandabadra
1
これって本当にこんなこと書いた人が居たの と、思ってしまうような本 虐げれらた時代に生まれる思想ともいえるが あからさまな弱肉強食状況になりつつある 今に必要な考え方でもあるのかも 2009/07/21
TK
0
全体を通りて「押し」が強いという印象。個人的にはあまり好きではなかったが、こういった押しの強さが前近代においては学問を広めていくパワーになるんだろうなと思った。 記述されていた弁事二妙法など厚黒に関する手法はよく言われている交渉手段の1つでしかないと思ったが、厚黒の対象を大きく考えるという点については省みさせられた。三国志、読んでみよう。2017/01/04