内容説明
自らの奇策で大勝利を収めたホチントンだったが、思わぬ誤解を受けて傷心のまま姿を隠す。行方を追う陳家洛とカスリー。黄砂に埋もれた古都にたどり着いた三人は、凄腕の武芸者・張召重ら朝廷の追っ手を振り切って廃墟の宮殿へ迷い込む。折りから乾隆帝の奸計は美神カスリーへと向かっていた…。愛と大業の板挟みとなり血の絆に苦しみながら、追いつめられた陳家洛の下した決断とは!?驚愕の完結篇。
著者等紹介
金庸[キンヨウ]
1924年、浙江省海寧県生まれ。1955年『書剣恩仇録』を発表。圧倒的支持を得、全12部の長篇武侠小説を創作。中国、香港、台湾を始め中華世界に12億人の読者を持つ超人気作家
岡崎由美[オカザキユミ]
1958年、香川県生まれ。早稲田大学文学部教授
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感想・レビュー
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緋莢
19
完結巻。前半は砂漠での狼の群れとの攻防がメイン。陳家洛、ホチントン、カスリ―と関東三魔、張召重との駆け引きが読みどころ。そして、あの張召重が、ついに最期を迎える訳ですが・・・因果応報というか、今までやってきた事を 考えれば、まだ温いかも。兄弟子も、情がわいてしまったのでしょうが、それも無駄でした。後半は乾隆帝絡みで、ついに決着。乾隆帝は自分の中では〝名君”のイメージがあったのですが、この作者は恨みでもあるのかっていうぐらい 小人物に書いてます。まあ、皇帝と侠客で相容れない信条があるって事なのでしょう(続く2018/08/12
黒猫トム
1
四分巻の四巻め、後半のドラマチックなこと大団円に向けての畳み掛け、いやホントこれが武俠モノの処女作なんですか、金庸先生!凄すぎます。 ここまでの丁寧な人物描写があるから、キャラの気持ちが動きが実に「らしい」し、リアルだし、説得力がある。 アクション小説読んでいて胸を打たれて思わずあっと声を上げるなんて久しくなかった。 面白い!素晴らしい読書体験であった。2018/12/18
はるさむ
0
陳家洛、なにもできないクズじゃない?と思ったが解説読んでなんとか納得した 苦い結末だけどそれに至るまでがおもしろかったのでよしとする2025/05/20