内容説明
抽腸(腸ひきずりだし)、凌遅(切りきざみ)、剥皮(皮はぎ)…中国歴代の刑罰は、その種類の多様さ、方法の苛烈さ、受ける側の悲惨さにおいて突出した展開を見せてきた。ほしいままに人間の肉体と精神を破壊しつくす数かずの“秘術”や“絶技”は、なぜ、何ものによって、いかにして、編み出されたのか。膨大な史料を駆使しつつ、想像を絶する「酷刑」の全容に迫った、驚異の「禁断の中国史」。
目次
プロローグ 酷刑―もうひとつの中国史
凌遅―切りきざみ
車裂―車ざき
斬首―うち首
腰斬―腰きり
剥皮―皮はぎ
炮烙―銅柱やき
烹煮―釜ゆで
剖腹―腹さき
抽腸―腸引きずりだし〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
28
読書会紹介本。酷刑の歴史から中国史を読み解く研究書。取り上げている実例の数量がとにかく凄い。どの時代の歴史本でも読む際に参考にできそう。酷刑は民族の文化水準と社会の文明度を示すため、王朝ごとに特色が違うのは興味深かった。過去の残虐を恥じ、現在の幸せを感じ、未来の平和を決意することを著者は願っており、猟奇趣味を満たす雰囲気では無い。いつも通り興奮して楽しむこともあったが、基本的には多種多様な酷刑をふむふむと感心しながら学んだ。不謹慎だと謗られようとも、人間が持つ残虐性と無限の想像力に好奇心が止まらない。2018/08/22