内容説明
狐狸庵遠藤周作とまんぼう北杜夫をはじめ、珍友・奇人らを道連れに、外つ国々を訪れては汽車に乗る極楽旅。欧州はオリエント急行、アフリカはキリマンジャロ、そのほか、北米、アジア、中近東、オーストラリア、中米と、世界の隅々まで列車旅行を敢行。異国と異国人との交流が味わい深く語られ、詳烈な臨場感とユーモアが醸し出されている。時を超えて迫る、出色の紀行文。著者厳選の十三篇を所収。
目次
欧州畸人特急
マダガスカル阿房列車
キリマンジャロの獅子
アガワ峡谷紅葉列車
特快〓光号
元祖スコットランド阿房列車
最終オリエント急行
カンガルー阿房列車
東方紅阿房快車
マッキンレー阿房列車
夕暮特急
アステカの鷲
ピラミッド阿房列車
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koki Miyachi
2
敬愛する内田百閒先生の衣鉢を継ぐ阿川弘之の南蛮阿房列車。全て海外の汽車の旅と言うのがステキ。南米以外の四大陸を網羅する充実ぶり。面白いのは狐狸庵遠藤周作、まんぼう北杜夫、閉口開高健など、どんな旅の道連れがいても、マイペースな鉄道オタク振りが一貫して変わらないこと。要は汽車に乗れさえすればいいらしい。毎回列車の編成を外から確認、乗車してからも全車両をパトロール。一方で得意ではない英語での会話はそこそこに鉄路の音を子守唄にサッサと寝てしまうお茶目さん。マイペースなスタイルで汽車で世界を巡るゴキゲンな一冊。2013/01/03