感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西澤 隆
1
小説の映画化は大抵ががっかりするものだけれど、映画のノベライズ本というのもご都合主義でしょんぼりするものが多い。でもこれはある意味、珠玉のノベライズだと思う。勝つための卓球ではなく、続けることが楽しい温泉卓球。絵に描いたようなトラブルと、それを乗り越えてのハッピーエンド。あまりにお約束通りのとってものどかな映画なのだけれど、その雰囲気は小説だけでも充分堪能できると思います。矢野顕子の「丘を越えて」がどこかから聞こえてきそう。そして企業戦士が家庭ではともかく、職場では充足していた時代のおとぎ話でもあります。2013/01/22
blue-brass
0
部活動を卓球にしたのは、親に連れられていった旅館の一室で初めて卓球をやって、ラリーを続けることに楽しさを感じていたからだ。そこが好きだったのに、素振りと体力づくりと球拾いの部活は真逆で、相手を困らせるプレイをする「競技」だった。半年もしないで辞めたのはそれだったようだ。園子さんが「思いやりのない球はいけません。」と言い切って温泉町の復興をかけた卓球大会開催へと大きく物語は動いていく。ラリーを続けることが繋がりを取り戻していくことと重なってくるところで胸が熱くなった。ノベライザー浅野美和子氏の文もステキ。2023/11/04
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