内容説明
幕末の横浜を訪れたシュリーマンが勝海舟に贈った金時計が、十二年後に彼が発掘したミケーネ遺跡の王墓から発見された。歪められた歴史を修復するという使命をもって“管理センター”により新選組の沖田総司が蘇生される。時空を超え、古代ギリシァでアンネ・フランク、マタハリと合流した総司は、歴史が狂い始めた金時計の謎を追って各地を転戦し、ギリシァ神話の世界を創り出していく。幻想歴史大河ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
58
あっぱれな荒唐無稽っぷり。何者かの干渉によって歴史に歪みが生じた。修正のために古代ギリシャに派遣されたのは沖田総司、マタハリ、そしてアンネ・フランク。そうか、ギリシャ神話は彼らの活躍で創られたのか…って、そんなわけないでしょ!敵の動機が今ひとつ説得力に欠ける気はするが、とても面白かった。2022/08/27
那由多
6
“刻迷宮”と書いて“ときめき”と読むらしい。トンデモ設定に最近のゲームっぽさを感じる。
かおり
2
途中で登場人物がたくさんで混乱したけれど楽しかった。ギリシャ神話も読んで照らし合わせながらもう一度読んでみたい。2009/11/29
朱音
2
シュリーマンが勝海舟に贈った金時計が、シュリーマンが発掘した遺跡から発見される…。時間旅行による歴史のひずみ、というのが設定なのだからタイムパトロールモノといえるのかも。さまざまな時代から蘇生された登場人物が、古代ギリシャでひずみの原因を探るわけだが、ギリシャ神話にあまり詳しくなくても楽しめると思う。2004/05/18
makersat
1
高橋克彦らしさの色濃い冒険活劇。舞台は古代ギリシャで登場人物は沖田総司やアンネ・フランクやマタハリというとても大胆な設定である。サイエンスフィクションでありながら、時代劇風味も加わりつつ、色々とうんちくが散りばめられつつと、四百頁を超える長さにもかかわらず飽きが来ない。前述した登場人物に加え、テーセウスやヘラクレスなど、古代ギリシャにお馴染みの英雄も加わった中盤の冒険部が楽しいのだが、後半部における悲しい運命に、人の世の無常さを感じて心を痛めずにはいられないだろう。タイムパラドックスが気になるのはご愛敬。2015/12/30