内容説明
老獪家康の深謀術策のまえに、秀頼傅育の重臣たちは、赤子同様であった。太閤恩顧の大名は時代の趨勢に傍観を決めこみ、大坂城中には名地寄せ集めの浪人の群と、淀殿の狭量の矜恃のみがはびこっていたのである。方広寺鐘銘を発端に、大坂城総濠埋立てで、すでに戦役の勝敗の帰趨は決していたと言える。完壁なる家康の戦略勝ちであった。そして豊家滅亡は、泰平三百年の幕明けでもあった。戦史の決定版。
目次
大坂の役第一篇(戦役前の形勢;冬の陣・両軍の計画;戦闘と講和;夏の陣・両軍の計画と措置;戦闘;結果)
第二篇(戦役以前;大坂冬の陣;大坂夏の陣)