出版社内容情報
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17刷50000万部突破!
ロングセラー『月とコーヒー』から派生した
〈インク三部作〉堂々完結!
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この世界は
喜びと悲しみを繰り返しながら
回りつづけている。
もう、泣かないで。
師匠のベルダさんが
愛用していた万年筆のインク、
〈六番目のブルー〉を探し求めて
ジャン叔父さんと旅をつづけてきた
14歳のオリオ。
インクの秘密を解く鍵が
奇妙な唄にあるとわかるが、
なかなか見つからない。
そんなとき、
迷えるオリオを導いたのは
世にも稀な
「本当の真っ赤な林檎」だった――。
内容説明
師匠のベルダさんが愛用していた万年筆のインク、“六番目のブルー”を探し求めてジャン叔父さんと旅をつづけてきた14歳のオリオ。インクの秘密を解く鍵が奇妙な唄にあるとわかるが、なかなか見つからない。そんなとき、迷えるオリオを導いたのは世にも稀な「本当の真っ赤な林檎」だった―。ロングセラー『月とコーヒー』に連なる“インク三部作”完結篇!
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
119
インク三部作、完結巻の一冊。六番目のブルーを探し求めて、少年オリオとジャン叔父さんがようやく辿り着いた旅路の物語。誰もが人生で必ず経験する、厄介な想いに対しての溢れんばかりの言葉のシャワーが優しく心に降り注ぐ。心に頑固に居座る悲しみって、どんなもの?世界は回るってどんなこと?悲しみが終わったその先は?そして何より六番目のブルーの正体とは…。時間をかけて喜びと悲しみを繰り返し、ようやくたどり着く心の終着駅。それは過去と未来が握手する場所。と同時に始発駅に変わる場所。優しさが回る回転木馬のような世界観を堪能。2024/06/30
KAZOO
108
吉田さんのシリーズ三部作の最終巻を読み終わりました。面白い感じで子供向けあるいはヤングアダルト向けなのかとも思いますが、時間がゆったりと進んでいくのがちょうど私にはあっているような感じがしました。読んでいてドイツの作家のミヒヤエル・エンデの作品を思い出したりしていました。このような作品も時たま読んでいくのはいいと感じています。2024/07/19
けんとまん1007
84
六番目のブルーの意味が、ついに・・・。吉田さんの文章は、静かで透明感を感じさせてくれる。ただ、それだけでないように考えている。人にとって、日々を営むこととは、どういうことなのか。何を思い、それが、何故、生きるエネルギーになるのかが、根底に流れているように思う。人は、喜怒哀楽の感情の中で、日々を過ごす。だからこそ、毎日が違い、明日への希望につながるのだと思う。哀は、哀だけで存在するのではなく、相手がいるからこそなのだ。2024/07/14
里愛乍
78
持ってるだけで眺めているだけで幸せな気持ちになれる、小ぶりでお洒落な装丁本〈インク三部作〉完結篇。人と人が争うのは同じものを求めているから。本当にこれは発見だ。競争も戦いも目指すものは同じ、だとしたらなんて悲しいことなんだろう。そして明かされる〈六番目のブルー〉五番目に足りなかったものとは… 嗚呼ページが残り少なくなっていく。この物語が終わってしまう。それでも旅は終わらない。彼らはこの後も進んでいく。それはこちら側に在る私も。きっとそう。2025/01/20
Ikutan
73
『五番目のブルー』と『六番目のブルー』の謎がとけ、オリオと叔父さんの旅が終わった。オリオが深い深い心のいちばん柔らかいところにこれまで抱えてきたもの。ココノツが読み上げる長い長い唄に、そっとやさしく触れられ、溢れだした涙。『時間は残酷なものだよな。だけど、時間は俺たちの悲しみをやわらげてくれたりする』叔父さんの言葉に頷く。オリオがこの旅で得たものは、時計ではかれる時間の中にはとうてい収まらないのだ。私も一緒に旅が出来てよかったな。そして、ミランダさんからのとびっきりのプレゼント。よかったね。叔父さん。2024/05/31
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