出版社内容情報
2023年1月現在の世界を一言で表せば、アメリカ民主党が原因をつくって戦争が起き、それを共和党が力で後片付けするという、いつものパターンに、どっぷりハマりつつある。
オバマ政権が中国の台頭を許しトランプ政権がどうにか抑止。再びバイデン政権に移行し、資源・エネルギー高騰への対応が遅れた。そこにEU(欧州連合)とバイデン政権が過度なグリーン政策を押し進めロシアは武力行使を決断。ウクライナ侵攻で東西デカップリングが加速した。
米中は戦争前夜の状況だ。
地政学的、あるいは地理・空間的な観点からも日本にとってのテーマは「中国」ということになる。
習近平体制は3期目となり台湾問題、南シナ海問題、尖閣諸島問題など侵略の意図を隠さず、西側・東側の対立はさらに激化から、衝突へと転化していく節目の年になるだろう。そのことは2022年末に向けた米中両国の動きを見れば、自ずと導き出せる。
アメリカは議会を中心に続々と、対中強硬策のToDoリストを提出した。
ICT(情報通信技術)が国家の命運を左右する時代にあって、2022年10月に、アメリカは中国に対してスーパーコンピュータとキーパーツである半導体の輸出、再輸出を「規制」した。
本書で詳説しているが、もはや事実上の「半導体禁輸」で、「規制」という名の「制裁」だ。
米ソ冷戦のフロントラインはドイツを中心としたヨーロッパだったが、今度の新冷戦の最前線は日本だ。影響は甚大なものになるだろう。2023年の国内経済を見通す上で、西側の動きは重要なポイントということになる。
しかもアメリカは対中政策として「次」を打ち出している。
議会のU S C C(米中経済・安全保障調査委員会)による「USCCレポート2022」、
国防総省が公表した「中国軍事力報告書2022」がそれだ。特徴的なのは国防省が、習近平国家主席自らが推進する「軍民融合」政策に大きなボリウムを割いている点だ。現在の安全保障は経済安全保障とリンクさせなければ成立しない。
バイデン大統領が率いるバイデン政権は2022年中間選挙で下院の多数派が共和党になったことで、内憂外患の状態だ。日本は、これまでより自主的に意思決定を行わなければならなくなった。
本書はオフィシャルな資料を基に、2023年の日本と世界を見通すことを目的にした。不透明な2023年を照らす灯火となるだろう。
内容説明
半導体禁輸、マラッカ海峡封鎖計画、TikTok規制…、続々と公開されたアメリカの中共殱滅計画。
目次
第1章 開戦!「東西冷戦2・0」
第2章 「半導体」規制で世界構造が変わった
第3章 中国即死に向けて始動したアメリカ
第4章 支柱を喪失して乱れる国際情勢
第5章 悪夢のグリーン政策
第6章 日本浮上のためにすべきこと
著者等紹介
渡邉哲也[ワタナベテツヤ]
作家・経済評論家。1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年、『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告し大反響を呼んだ。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Tomonori Yonezawa