ある日 失わずにすむもの

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198646677
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

今この時代に小説がもたらす感動! 過酷な世界に抗する人々を丹念に切り取る12篇の物語。遠からず世界を襲うかもしれない不幸。そのとき、人々はどのように旅立ち、何を失うことになるのか。ようやく築いた生活とジャズの夢を奪われるマーキス(アメリカ)。大切な人生の仲間と自負を失うワイン農家のホセ(スペイン)。銃をとり、人買いの手から娼婦の妹を守るマルコ(フィリピン)。北米、ヨーロッパ、アジア、日本を舞台に、市井の人々の決断と残懐を丹念に描く、珠玉の12篇。

乙川優三郎[オトカワユウザブロウ]
著・文・その他

内容説明

ようやく築いた生活とジャズの夢を奪われるマーキス/アメリカ。大切な人生の仲間と自負を失うワイン農家のホセ/スペイン。銃をとり、人買いの手から娼婦の妹を守るマルコ/フィリピン。北米、ヨーロッパ、アジアの国々の参戦、そして日本。地球規模のパワーゲームが私たちに強いるであろう決断と残懐。小説には力があると信じられる12篇!

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

73
乙川さんの「現代小説」に白旗を掲げます。82歳のジジイの頭脳にボケが始まったようです。今作でそれを強く感じました。例えるなら、中学生が大学の講義を受けている感じがしました。でも、現代小説家へ転身の処女作『脊梁山脈』は、すごく佳かった。いま、ロシアとウクライナの戦争は終わる気配が見えませんが、戦争の恐怖、惨さ、愚かさを改めて思い知りました。でも、時代小説の乙川さんの方が、いまの私は愉しめることが分かりました。まだ、未読の時代小説が残っていますし、直木賞作の『生きる』や『霧の橋』を再読したいです。2023/08/25

キムチ

48
事の是非は別として、筆者の立ち位置が変容を見せている気が強くしてならない・・この1冊も。時代小説ファンにとっては淋しいかもしれないけれど。世界はその人物の立ち位置で実の様々ながら、誰しも懸命に生きている・・民族・宗教の隔てなく。島国日本は一見平和で、上空をミサイルが、爆撃が飛ぶこともなく、明日の食料がいつ絶えるかという危惧も《今は》ない。暖衣飽食といえばそれまでだが。乙川氏の文章はせせらぎの様に流れ煌めき、「生きて行く目的だけしか」残っていない人も照らし出す。「こんな生活」に出てくる「生存権なんて」考え2018/09/24

おさむ

34
直木賞の「生きる」や山本周五郎賞の「五年の梅」は、心に響く時代小説でした。近未来小説の本作品は、戦争がいかに市井の人々の暮らしを破壊するか、をテーマにした12編の短編集。れっきとした反戦小説です。これだけバラエティに富んだ設定で、それぞれの人生観を映しだす筆力はさすが。ただ、個人的にはやっぱり乙川さんは、時代小説の方がしっくりくるかなあ。 2018/10/23

ロア

22
とてもさみしく悲しいことだけど、失わなければその大切さに気付けないのが、私たち人間の本性なのだろうな。。。2018/10/07

くみこ

20
貧しい暮らし、平穏な暮らし、何かを変えようと思いながらの暮らし。アメリカで、ポルトガル、フィリピンなど、世界中のどこであっても、一人一人の暮らしが一枚の召集令状で変わってしまう。読んでいて辛いのは、昔の戦争ではなく、世界中を巻き込んで始まった、新しい戦争である事です。ささやかな幸せも、貯め込んだ財産も、ある日を境に消し飛んでしまう虚しさが、静かに静かに描かれます。明日こうなるかもしれない恐ろしさを感じました。2021/06/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13090094
  • ご注意事項

最近チェックした商品