雲上雲下

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  • サイズ B6判/ページ数 438p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198645595
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

物語が世界から消える? 不思議で懐かしいニッポンのファンタジー「草どん、語ってくれろ」どこからともなく現れた子狐は、目の前にいた草に話しかけた。物語をせがむ子狐に、草どんは重い口をひらく……。
子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う! 
「俺たち、本当に存在しているんですか?」
やがて物語は交錯し、雲上雲下がひずみ始める。物語が世界から消えてしまうのか?
不思議で懐かしい、ニッポンのファンタジー。

朝井まかて[アサイマカテ]
著・文・その他

内容説明

子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う。不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。

著者等紹介

朝井まかて[アサイマカテ]
1959年大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年、第三回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し『実さえ花さえ』でデビュー。(受賞作は文庫化され『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と改題)『恋歌』で第一五〇回直木賞を受賞。『阿蘭陀西鶴』で第三一回織田作之助賞、『眩』で第22回中山義秀文学賞、『福袋』で第一一回舟橋聖一文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

344
朝井まかては、新作中心に読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか?本書は、大人向けの日本昔話ファンタジーでした。連作短編集のような長編のような不思議な感じですが、オススメは母を訪ねて三千里?「小太郎」の物語です。2018/03/19

いつでも母さん

204
「昔むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました・・」確かに幼き頃に聴いた。我が子には綺麗や可愛い絵本の読み聞かせをしたし、寝る前には何度もお気に入りの絵本をせがまれた。それはそれで幸せな時間だったけれど、この本の中の寓話や民話を語り継ぐって大切なんだよね。そこから仁義礼智忠信孝悌を学んだりしたもの。朝井さん、ちょっと捻って大人向きに仕上げてあるのが好い。草どんが山姥や子狐に物語を語り、やがて福耳彦命になり語り繋ぐ。この明日彦は私達一人ひとりなのだなぁ。そう、これは大人達への物語なのだ。2018/03/15

なゆ

196
雲上と雲下を繋ぐもの、それは…。ああ、なんと言えばいいのか。まかてさん流の壮大な物語の物語に、心を鷲掴みにされた。子狐にせがまれて「草どん」が語る昔話や民話がいい。「猫寺」の話なんて、もうそれだけでレビュー書けそう。のどかに子狐や山姥と一緒に聞き入る気分で、なんとも心地よい。なのにそんな心地よさが、じわじわと崩されてゆく。確かにこの危機感は覚えがある。まかてさんの想いが、登場人物たちの言葉を借りて、さらなる物語に紡がれる。ずっとずっと語り継がれてきたお話たちを大切にしたい。私も御伽衆のひとりとなって。2018/04/09

とろとろ

194
「草どん」が語る昔ばなし風の物語。なんだか懐かしい感じで面白かった。この作家さん、江戸の下町風の日常を描く作品だけだと思い込んでいたし、装丁もなんだかそのような雰囲気だったので、てっきりそんな時代背景だろうと思っていたが中味は少し違っていた。時代的にも語りの口調にも確かに江戸時代らしい雰囲気を持っているが、中味は草どんの回想で、山姥や龍の化身やらが出てくると、頭の中で「まんが日本昔ばなし」の市原悦子と常田富士男の声が何時もオーバーラップしていた。刷り込みって恐ろしいもんだな。参考文献もちゃんと載ってるね。2018/06/29

はる

192
森の巨草が子狐に物語を語っていく。「田螺長者」「猫寺」など、お馴染みの昔ばなしに厚みを持たせ、味わい深い人間ドラマに昇華させた朝井さんの筆致に感服。とても楽しめた。このままなら良く出来た短編集という風情だが、やがて物語ることそのものをテーマにした壮大なファンタジーへと変貌していく。作者の強い想いが感じられるが、やや拡げ過ぎな気もする。前半の昔ばなしが単なる前振りになってしまっているのが残念。2018/11/05

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