回遊人

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198644727
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

タイムスリップして、もう一度妻に愛してもらう自信はありますか? 芥川賞作家が描く大人の偏愛。

内容説明

妻か、妻の友人か。過去へ跳び、人生を選べ。何度も。平凡な暮らしとはいえ、幸せな家庭を築いた男。しかし、妻子とのやり取りに行き詰まりを感じて出奔してしまう。たどり着いたドヤ街で小さな白い錠剤を見つけた男は、遺書を書き、それを飲む。ネタになるならよし。よしんば死んでも構わないと考えて。目覚めるとそこは10年前、結婚前の世界だった。人生を選べる幸せを、男は噛み締めていたのだが…。芥川賞、島清恋愛文学賞作家と旅する永遠なる10年。書き下ろし長篇。

著者等紹介

吉村萬壱[ヨシムラマンイチ]
1961年、愛媛県松山市生まれ、大阪府牧方市育ち。京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を務めた後、専業作家に。2001年「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞、2016年『臣女』で第22回島清恋愛文学賞受賞。近年は小説のほか、初のコミック『流しの下のうーちゃん』やエッセイ集『生きていくうえで、かけがえのないこと』『うつぼのひとりごと』を発表するなど、意欲的な執筆を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ω

48
最後の自作解説がタマランチ😹 萬壱先生らしさ満点のタイムリープものw 面白かったです!書き下ろし頑張ってくださいω!2022/07/29

わっぱっぱ

48
あああぁあなにこれすごい。何って、他人事じゃなさが凄い。これは少なくとも私にとって萬が壱の話ではない。正銘のリアルだ。現実だ。営みだ。黙示録だ。克明すぎてもう笑うしかない。いや笑ってられないんだけど。でも笑っちゃうんだけど。実際のところ、人生ってこんな(滑稽で不合理で俗悪な)もんではなかろうか。ひょっとして、美しい世界ってかなり退屈なんではなかろうか。え?違う?私だけですか。そうですか。えへへ。萬壱さんらぶ。2018/02/28

おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ

42
タイムスリップとはまた氏にしちゃ陳腐な設定なのだが、何度人生をやり直そうとも己を全うできず回遊を繰り返し、その過程でようやく理解できた控え目な愛の姿に、憐憫の涙をしぼられる。転生ではないけれど、何度も死んだはずの今を私も生きている。過去の人生や記憶にはもはや実体など与えられることはなく、戻ることは勿論として、抱きしめることなど到底叶わぬのだと刺し貫かれた。「生きている」とは「今」という一瞬のみであり、過去や未来は決して同時に存在しない。だから孤独である。だから、人も物質も対を求める。過去と未来をよすがに。2018/03/22

らむり

38
相変わらず文章はツボですが10年前に戻る設定にイマイチ入り込めず…2017/11/30

そうたそ

35
★★★☆☆ タイムリープものってよくある話だけれども、と思って読み始めたが、著者のことだからそうシンプルに終わらせるはずがなかった。現実でも誰しもが一度は夢見るであろうタイムリープ。しかし繰り返せば繰り返すほどより良くなるどころかむしろ劣化していくかのような人生。何度やり直してもうまくいかない。人生がうまく立ち行かない原因は、結局のところ自分にありということなのだろう。よくある設定を借りても最終的には自分の色に染め上げてしまう著者の恐ろしさよ……。2018/04/03

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