世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠

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  • サイズ B6判/ページ数 478p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198639464
  • NDC分類 333.6
  • Cコード C0033

出版社内容情報

格差と対立がこれほどまで広がってしまった世界はこれからどうなるのか。 ノーベル賞経済学者が、今後の世界の行方を読む!

世界各地でさまざまな対立や紛争が起きているが、その背景には、グローバル化や行きすぎた自由主義による格差拡大と社会の分断にある。超巨大格差はいかに生まれ、今後、どのような深刻な事態を引き起こすのか。TPPや規制緩和に潜む危険性とは? そして欧米、中国、日本など世界経済はどこへ向かうのか? ノーベル経済賞学者が、トマ・ピケティの論などを引き合いに出しながら、世界の変化と、その解決策を提示する。

【著者紹介】
2001年「情報の経済学」を築き上げた貢献によりノーベル経済学賞受賞。1943年米国インディアナ州生まれ。エール大学はじめオックスフォード、プリンストン、スタンフォード大学で教鞭をとる。1993年クリントン政権の大統領経済諮問委員会に参加、95年より委員長に就任し、アメリカの経済政策の運営にたずさわった。97年に辞任後、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミストを2000年1月まで務める。行動する経済学者として、世界を巡りながら経済の現状を取材し、市場万能の考え方を強く批判している。

内容説明

格差は、冷徹な資本主義の結果ではない。1%の最上層が、自分たちの都合のいいように市場のルールを歪め、莫大な利益を手にし、その経済力で政治と政策に介入した結果なのだ。だが格差の拡大は、経済や社会の不安定と混乱をもたらし、やがてはすべての人々を危機へと導く―。この負の連鎖を止めるために、我々はいったい何をすべきなのか?ノーベル賞経済学者スティグリッツが、すべての人によって繁栄が共有されるための道筋をしめす!

目次

Prelude 亀裂の予兆
第1部 アメリカの“偽りの資本主義”
第2部 成長の黄金期をふり返る(個人的回想)
第3部 巨大格差社会の深い闇
第4部 アメリカを最悪の不平等国にしたもの
第5部 信頼の失われた社会
第6部 繁栄を共有するための経済政策
第7部 世界は変えられる
第8部 成長のための構造変革
余波 すべての人に成功の基盤を

著者等紹介

スティグリッツ,ジョセフ・E.[スティグリッツ,ジョセフE.] [Stiglitz,Joseph E.]
2001年「情報の経済学」を築き上げた貢献によりノーベル経済学賞受賞。1943年米国インディアナ州生まれ。エール大学はじめオックスフォード、プリンストン、スタンフォード大学で教鞭をとる。1993年クリントン政権の大統領経済諮問委員会に参加、95年より委員長に就任し、アメリカの経済政策の運営にたずさわった。97年に辞任後、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミストを2000年1月まで務める。行動する経済学者として、世界をめぐりながら経済の現状を取材し、市場万能の考え方を強く批判

峯村利哉[ミネムラトシヤ]
1965年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科卒。英米の翻訳で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

33
本書の大部分は、〝不平等の 経済学(傍点)〟で占められている(20頁)。本書で繰り返されること:不平等は総需要と経済そのものを弱体化させる(傍点)というテーマ(28頁)。最重要なのは、ブッシュ時代が不平等の拡大を特徴とした点(32頁)。銀行を救済する本来の目的:資金の提供役をつづけさせ、経済の機能を維持すること(45頁)。銀行が搾取に血道をあげれば、不平等は拡大する。銀行が雇用創出に注力すれば、平等性は向上する(50頁)。2015/10/26

yooou

13
格差、不平等の拡大について憂慮するという点で異論がある人に対しては相当の違和感を持ってしまうわけだけれどもなんでかこれが止められない。油断すると寧ろそっちへ進んでしまうこの世の中は一体全体どうなっているのだろうか。スティグリッツはとても信頼できる人なのだけれども残念ながらそこまでは解明できていない。ということは誰にも止められないのではないかという懸念が生まれてるのだがいかがなものだろうか。2015/11/08

Francis

9
ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ教授の経済評論集。広がり続ける経済格差にスポットを当てている。トマ・ピケティの理論を紹介しつつ、格差が広がったのは資本主義の持つ性格と言うよりも政治の失敗ゆえであることを強調し、富裕層への課税などの格差是正策、炭素税などの増収策、教育や公共事業への積極的な投資による経済の再生を図ることを提言している。他にアベノミクス、スコットランド独立、シンガポールの経済成長など、様々なテーマを論じているがいずれもさすがはスティグリッツ教授だと思わせる鋭い論旨。2015/10/22

koji

8
「WeAre99%」は、格差社会アメリカの反政府デモのスローガンです。スティグリッツは、不平等は国の政策によるもので、その原点はレーガン政権発足に遡り、英国のような追随者を巻き込み、中流を破壊し格差を拡大したと言います。本書で同意するのは、富裕層への課税を強化し、教育・環境・住宅投資に重きを置く政策を推奨していること。176頁で挫折しているピケティを再び開く強い動機づけを得ました。ただ素朴な疑問は、グローバル化により先進国は1国のパイが縮小していること。歪みをゼロにする政策は困難ではと思ってしまいます。2016/01/29

Meistersinger

6
様々な雑誌やウェブに発表されたコラムをまとめたもの。個々のコラムは面白いのだけど、集めるとメリハリがなくなって読みづらい。論調は「経済格差をなくしていく政策を」という真っ当なもので、米政策決定者(オバマ政権のガートナー氏も含む)を批判している。所得格差や失業率の点でいくつかの他国を肯定的評価してるが、その中に日本が入ってたのは少し驚いた。米国で不平等が進んだ理由の一つとして、「冷戦終結で米国モデルの優秀性を誇示する必要がなくなったから」というのは面白い。2015/12/24

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