内容説明
圧倒的な破壊のさなかで心に刻み込まれた、忘れられない光景。『遺体』の著者が綴る、これまで明かせなかった震災の真実の物語。
著者等紹介
石井光太[イシイコウタ]
1977年、東京都生まれ。国内外の貧困、歴史、医療、戦争などをテーマに執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
87
テレビや新聞で伝えられなかった、あの時の真実。とても重い内容ですが、こういうものはキチンと読んで忘れてはならないと思いました。2014/09/17
nyaoko
81
震災直後、現地入りをした筆者。津波の後の、何もかもが消えてしまった直後の街と人の様子をありのままに記している。被災地の中でも差別や妬み嫉みがあり、僅かな被害で差別が出た。報道では全く出さない影の部分をこの僅か250ページには凝縮されている。読んで辛くて悲しくて、閉じてはまた読んでの繰り返し。少しずつ、何かの折に触れてこの話を子供に伝えたい。2019/03/10
ちゃとら
63
【図書館本】ノンフィクション作家の石井光太さんの『遺体』も読んでいたが、この本にも知らなかった事実が多く衝撃的だった。震災直後のTV報道でコメンテーターが、「まるで戦争のよう。」と言っていたが、その例えに私は違和感を覚えていた。この本を読んで震災直後に自分の家の側に遺体が散乱している異常な状況。木に引っかかった親の遺体を子供に見せないようにした。なんとか住める状態になった家に戻り数日後に家に知らない老人の遺体が挟まっていることに気づいたとか。自然災害の恐ろしさ、被災地は酷い惨状だった事を改めて知った。2023/09/10
ちゃんみー
62
『遺体』で書かれてあることもありましたが、広い地域を見て回ったルポって感じです。憤慨したのは、被災地での観光気分での写真撮影があったこと。ボランティア女性への性的嫌がらせがあったこと。被災地で金品を盗むことがあったこと。私も当時のテレビ映像で津波の凄さを見ていましたが、ある意味それは興味本位の部分があったことは否めません。反省しきりです。2013/10/23
きょん
61
震災の生々しい記録。決して忘れてはいけない記録。事実を淡々と綴ることでニュースや新聞では伝えられなかった2次被害や目の前の厳しい現実とのギャップはこの本を読まなければ知ることはなかったと思う。12年も経ってしまったけれどあの日を忘れないために読めてよかった。2023/05/08