内容説明
「ここがあったから、うちと家族は生きていけるんよ」関係者全員がこれまで頑なに口を閉ざし続けてきた街の、真実の姿―。飛田で生きて10年、すべてを見てきた親方自身が初めて赤裸々に明かす。
目次
第1章 むきだしの街―新規開業
第2章 女の子はどこにいる?―スカウト
第3章 新人が二階に上がるまで―自由恋愛
第4章 なぜ飛田で働くのか―勤務事情
第5章 売り上げはいつも乱高下―親方稼業
第6章 飛田五万円事件―人間模様
著者等紹介
杉坂圭介[スギサカケイスケ]
大阪府出身。繊維製品卸問屋勤務を経て、飛田新地の料亭経営者へ。10年間店の経営に携わった後、名義を知人に譲り現在女の子のスカウトマンとして活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
293
飛田新地という日本で有数の遊郭で働く人が書いた1冊。稼ぎはすごそうだけど、やっぱりキツそうな仕事だなと思った。女の子の扱い一つで売上が変わるというのも私には怖くて出来ないな。いろんな事情を抱えた人たちがそれぞれの人生を生きているのは勉強になる。2016/10/05
くろにゃんこ
52
経営者として働き、今はスカウトマンをしている作者から見た『飛田で生きる』こと。だからなのか以前読んだ女性が書かれたものより読み易く分かりやすいものでした。昔の塀で囲まれていた頃とは違い、女の子が自ら選んで働き、上手に割り切っていることに感心します。やり手ババア的な印象のオバチャンの役割の重要さ。楽なものだと思っていた親分(経営者)の終わることない精神的苦労など大変な世界です。2015/09/21
かおりんご
51
読み友さんのレビューで気になったので読みました。こんな世界があるのですね。知りませんでした。飛田で経営者として働いている人の話だけあって、とても興味深く読めました。女の子たちは売られてきたイメージがあったのですが、借金苦だったりするんですね。苦学生なんかも含まれているとか。1年で1000万貯金できるんだったら、気軽にやってしまう気持ちがよくわかりました。それも15分でいいのならね。世の中の勉強になります。2016/04/29
reo
41
本誌は副題が「遊郭経営10年、現役スカウトマンの告白」というだけあり、飛田で暮らすお姉ちゃんやおばちゃんの実態をかなり詳しく語ってくれる。飛田にくる子の9割は派手好きな子だが、希に明確な目標を持ってくる子も居るという。そんな子は無駄遣いせず目標額が貯まったらスパッと足を洗えると。また一方安易に大金が掴めるので、持金が尽きるとすぐに舞い戻る飛田依存症の子も居るとも。自分勝手でプロ意識の低い子は、どんな美人でも稼げない。その典型的なのは遅刻と無断欠勤なのだと。こんな子はどこの世界でも通用しないとも。なるほど。2017/12/14
謙信公
32
大阪の異界「飛田新地」で実際に料亭経営に携わった著者の経験と内情の実録。なぜこの街が必要とされているのか?を問う。新規開業から女の子のスカウト、勤務内容、勤務事情、経営の実態、人間模様が赤裸々に綴られている。紹介者柴田氏の「いかがわしい場所とか言われるけど、そういう場所で人間の道極めるのもオモロイで」は中々刺激的だ。殆どの女の子が派手好きで「飛田依存症」になってしまうが、稀に明確な目的があり、スパッと足を洗う女の子もいるという。「ここがあったから家族と自分が生きていけるようになりました」人間模様は様々だ。2020/10/09