内容説明
この授業を通じて教授が伝えたいのは、私たち一人一人が世界や自国の状況をよく理解し、「より良い世界にするために動き出すこと」こそが、私たちに課せられた“義務”であるということです。そのために、まずやらなくてはならないのは世の中で何が起こっているかを読み解く力をつけることです。ルイ・ヴィトン、スターバックス、米国連銀、三菱商事…世界トップ企業のエリートたちがこぞって受けるハーバード人気No1教授の授業を初公開。
目次
序 世界の動きをいかに読み解くか
第1章 国が発展するための8つの軌道
第2章 アジアの高度成長
第3章 挟まって身動きがとれない国々
第4章 資源に依存する国々
第5章 欧州連合という試み
第6章 巨大債務に悩む富裕国
第7章 国の競争力とは何か
第8章 私たちのミッション
あとがき 世界の真の現状に触れながら学ぶ国際経済
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメフトファン
35
世界の国々がいかに発展してきたかあるいは発展出来なかったのかが簡潔にまとめられていてわかりやすかったです。こうして見ると資源もない島国である日本の発展はミラクルだったんだなということとサウジアラビア等との対比で資源が無かったからこその発展だったのかなと思いました。ビジネスに携わるものとして世界の国々がどのような方向に向かうのかを勉強していきたいなと思います。未来を知るために歴史を知る。この本はそのための入門書として最適だと思います。2015/01/27
黒頭巾ちゃん
21
各国の経済をHBS風に解析します。ただ、分かりづらい部分があるので、日本だけでも読んでおいて損はありません。日本の経済発展は、価格競争にあった結果であったとして、その安価な価格は、企業が株式で資金を調達するのではなく銀行から返済利子率2%ほどで調達していたからとしています。一方、株式だと米で言えば15%を株主に還元しなければいけないのでどうしても製品の価格は高騰するとしています。意外な気付きですね(*^_^*)2013/07/15
さきん
20
仰々しいタイトルの割に乏しい感じがした、世界を動かすといっても、講義を受けているのはビジネスマンばかりということもあって、世界情勢と経済を広く浅く語っているという感じである。著者ならではの独特の見解はなく、周りの資料を整理すれば、見えてくる内容ばかりであった。日本を海外から見るという点では面白かった。2017/02/19
Q
16
実家本 ●日本は人口の大部分が同じ民族で構成されており、意思決定プロセスが比較的容易 ●日本は米国市場をターゲットに設定。円安も有利に ●習熟によりコストを削減した。欧米は脅威に感じておらず喜んで技術ライセンスを供与 ●企業系列は規模と範囲を獲得できた ●米国の防衛力の傘の下で膨大な防衛費を使う必要もなかった ●製品戦略も非凡で付加価値の低い製品は選ばなかった。いずれくる他国との価格競争に勝てないと理解していたからだ ▷この時の日本は素晴らしいね。昔出来たら今でも出来るはず2022/05/03
Kentaro
6
日本は高いレベルの投資を行なっていた。GDPに占める割合は32%だ。富裕国となってもなお日本はGDPのほぼ3分の1を次なる成長のための投資につぎ込んできた。実は日本は経済に占める輸出入の割合が決して大きくない。人々は日本を輸出大国と考えがちであり一部の産業では正しい。が、GDPに占める輸出の割合は11%であり、輸入はそれよりやや少なく、約9%だ。つまり多くの人口を擁する大国である日本の経済活動の大半は、国内で行われているのだ。貿易がGDPの35%を占める中国や、60%にも達する欧州諸国とは違うのである。2018/11/02