内容説明
「地下鉄サリン事件のとき、私は5歳だった」―幼い心と体を痛めつけた父の虐待と妻妾同居の異常な生活、間近に見た最高幹部たちの言動、そしてひそかに進む恐るべきテロ計画。激しいイジメと公安当局の執拗な追跡に遭いながらも、罪悪感に囚われ自殺未遂を繰り返す日々。松本死刑囚の家族が初めて明かす殺人教団・オウム真理教の正体と自身の流浪20年間の真実。
目次
第1章 オウム真理教の亡霊
第2章 教団・その後
第3章 血のキズナ
第4章 悪夢
第5章 妻妾同居
第6章 いじめと登校拒否
第7章 姉と弟
第8章 さすらいの年月
第9章 マスコミ露出と苦悩
第10章 教団幹部たちの素顔
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラテちゃん
41
オウム真理教死刑囚たちの死刑執行を受け、改めて事件に関心を持ち手に取る。事件当時幼かった四女の記憶は断片的で精神を病んだということもあり、彼女の言葉をすべて鵜呑みにはできないだろう。しかし異常な生育環境を生き抜いた彼女の苦悩や葛藤は想像を絶するものである。彼女の言うように、今後オウムの信仰が再度広まることのないよう彼女の体験を専門家などがしっかり分析し教訓として生かされることを願う。三女の視点も読んでみたい。2018/08/05
ピース店長
29
地下鉄サリン事件当時6歳 20歳の筆者が語るオウム真理教と自らの物語。時系列が前後して読みにくいが痛いぐらいの葛藤が伝わってくる。子供に罪はないと思うが現在28歳の4女はどこで何をしてるのだろう。2017/03/08
ネギっ子gen
18
「宗教」の側面ではなく、「虐待」方向から、思わず手に取った本。あの江川紹子さんとの後見人騒動は、色々考えさせられた。結果として、江川紹子さんは著者に振り回された形なのだが、「心の傷」に対し「善意」とか「愛」だけでは通じないという好例か。以下の引用は虐待事例によく出てくる話だが……<病気の時以外、夜はいつも、信者が出家する際にお布施として持ってきたモンチッチやムーミンのぬいぐるみを抱いて寝ていました。寂しさを紛らわせようとしたのでしょう。いつも一緒にいるわけではないのに両親は、よく私に暴力を振るいました。⇒2019/12/26
Shinobi Nao
16
麻原彰晃の四女の手記。地下鉄サリン事件から15年の区切りで出版したものだが、「時期尚早」という感が否めない。驚くほどの冷静さと常識的な文章で被害者と遺族に謝罪を示す一方、同等の冷静さをもって「私には神が見えるし、霊も見えます」と断言。本人は鬱病に苦しんでいると書いているが、鬱というより分裂症的な印象。世に訴えたい思いがあるのだろうが、このまっとうに見える文章の裏にある支離滅裂な精神状態で本を出版することが、誰にとって救いになるのかは疑問。2015/11/24
れい
15
【図書館】表題は、著者の心からの叫びなのだと思う。もし、違う境遇で違う父母から生を受けていたなら。そういう思いが伝わってくる。加害者の家族というのは、こうしてひっそりと、でも一生その十字架を背負って生きていくのだろう。世間の目も冷たい。そういう不幸は何が救ってくれるのだろうか。オウム真理教という教えでないことは確かである。2015/10/05
-
- 電子書籍
- 総務部長 田中優子-《波瀾万丈!あふれ…
-
- 電子書籍
- 10秒の壁――「人類最速」をめぐる百年…