内容説明
都心の人気店でバーテンとして働いていた山県が、場末のスナック“メメントモリ”でバーテンをすることに。しかし、この店にはカクテルを飲みたいと言う客はいなかった。予感はしていたが、愕然とする山県。いつでも辞めてやると思いながら“メメントモリ”で働く日々を送る中、ふとしたきっかけで家出少女の亜須美と出会い、なしくずしに同棲生活が始まる。さらに前の店のちょっと困った常連客の翔子が、山県の後を追ってきて…。ダメ人間たちが織りなす、めくるめく人間模様。
著者等紹介
福田栄一[フクダエイイチ]
1977年、愛媛県生まれ。『A HAPPY LUCKY MAN』(光文社)でデビュー。ミステリー、青春小説、シチュエーション・コメディなど何でもこなせる、多彩な才能で注目を浴びている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すみっちょ
3
主人公のお人好しっぷりにイライラしたり、さらにイライラしたり…まったくもう、と思いながら楽しく読みました。2007/05/05
キスイ
3
いろいろと周囲に振り回されるバーテンダーの話。亜須美とか翔子とか若干詰め込みすぎた感じがする。亜須美と主人公との別れが慌ただし過ぎたりと、舞台は大人っぽいのに渋さには欠ける作品でした。2012/06/02
静間
3
お人よしなバーテンのお話。母親の見栄のせいで場末のバーに勤めることになったり、いきなり女の子と同棲することになったり。お話を読んでてあれ?と思ったのは作品のリズム。「玉響荘~」とか「エンド~」はスピード感があったけど今回はスロー。それに合わせて人物をもっと掘り下げて書いているのかと言ったら・・・そうではない。むしろ今までスピード感で見えなかった「いろいろ」が目につくようになってしまい、後半が現実味薄。余韻を残す終わり方ではなくただの尻切れトンボに感じてしまう所も。キャラクターは魅力的なのにもったいない!!2012/03/24
月-yue-
2
ん〜・・・あんまり好きな感じじゃなかった。とりあえず山県がいい人すぎるくらいにいい人。納得できるようなできないような・・・。尾道の件があれで済んでしまうのもどうかと思うし、亜須美と翔子との関係も…。でもカクテルの描写が素敵で、お酒を飲みに行きたくなりました。バーとか通ってみたいです。2011/10/04
蕭白
2
今までの福田作品に比べると起伏の少ないお話でした。主人公と翔子あるいは亜須香?との恋愛模様が尻切れトンボのような状態だったのが不満足な部分です。読者が勝手に想像しろってことかなぁ。2008/02/27