小さな小さな魔女ピッキ

テレヘン，トーン【文】〈Ｔｅｌｌｅｇｅｎ，Ｔｏｏｎ〉/テルンクヴィスト，マリット【絵】〈Ｔ¨ｏｒｎｑｖｉｓｔ，Ｍａｒｉｔ〉/長山 さき【訳】

徳間書店（2006/12発売）

• サイズ B4判／ページ数 1冊(ﾍﾟ／高さ 26X30cm
• 商品コード 9784198622756
• NDC分類 E
• Cコード C8797

内容説明

目に見えないほど小さな魔女ピッキは、くさりにつながれた犬や、ひどい目にあっているクマや、まいごの男の子の耳の中に入りこんでささやきます…「くさりをちぎるのよ」「悲しまないで」と。そしてピッキは、人々を苦しめる悪い王さまと、対決することに…？オランダを代表する児童文学作家テレヘンによる昔話ふうの物語に、人気画家テルンクヴィストが絵を添えた、珠玉の大型絵本。オランダでもっとも優れた絵本に与えられる「金の絵筆賞」受賞作。

著者等紹介

テレヘン，トーン［テレヘン，トーン］［Ｔｅｌｌｅｇｅｎ，Ｔｏｏｎ］
１９４１年オランダ生まれ。ユトレヒト大学医学部卒。医師として働くかたわら、児童文学や詩を発表しつづける。独特などうぶつたちを描いた『だれも死なない』（メディアファクトリー）は日本でも好評。金の石筆賞、銀の石筆賞、ワウテルチェ・ピーテルセ賞、テオ・タイッセン賞、金のフクロウ賞など、権威ある児童文学賞を何度も受賞している。アムステルダム在住

テルンクヴィスト，マリット［テルンクヴィスト，マリット］［Ｔ¨ｏｒｎｑｖｉｓｔ，Ｍａｒｉｔ］
１９６４年、スウェーデンのウプサラで、スウェーデン人の父とオランダ人の母の間に生まれ、五歳からオランダで育つ。児童文学者である母リタ・テルンクヴィストの本の挿絵を描いて、２５歳でデビュー。アムステルダム在住

長山さき［ナガヤマサキ］
１９６３年生まれ。兵庫県芦屋市出身。関西学院大学大学院文学部修士課程修了。文化人類学を学ぶ。１９８７年、オランダ政府奨学生としてライデン大学に留学。以後、オランダに暮らす。アムステルダム在住（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[keroppi]

ハロウィンにちなんで魔女の絵本。小さな小さな魔女ピッキの姿は、絵に出てこない。ピッキの視点で見える町の風景や、ピッキが頭の中に入って操られる動物や人物が描かれる。頭の中にこそ、魔女が住んでいるのかと、ある意味怖くなる。ハッピーエンドのようだけど、暗いタッチの絵とも重なり、怖さの漂う絵本だった。

2022/10/27

[Rosemary*]

小さな小さな魔女ピッキ、とっても小さくて姿も見えないけれど恐ろしい！犬やクマに対して酷いです。悪い王様に対しても…。閉じ込められていたお姫様が助かってめでたしめでたしもうーん、ちょっと後味悪いかな。絵がとても素敵☆

2015/10/25

[ベーグルグル （感想、本登録のみ）]

【ハリネズミの願い】の作者の本。小さい魔女のピッキ。小さいので本の中には出てこないが、それがまた不気味さを増している。ピッキは魔女というより悪魔のよう。絵本だけど血を流しているクマや人が描かれている。結構ブラックなので大人向けでしょう。オランダ童話の賞も取っているというこの作品。オランダ人って・・すごいわ、ある意味。

2018/05/03

[野のこ]

初めのほうですでにこれは絵も内容も怖い予感、とやめたかったけどピッキの魔法か 結局最後まで読んでしまった。ハッピーエンドなのに恐ろしい話でした。唯一 王女さまに最初に会った人が王様にふさわしい人でよかった。ピッキがいい魔女ではないけど、悪い魔女なのかも判断できない、トラブルメーカーみたいな。とにかく私たちの街には絶対に来て欲しくないです。絶対に！

2018/05/02

[ヒラ[e-mail]]

目に見えないくらい小さな魔女だから、可愛いお話だろうと扉を開いたら、心は凍りついてしまいました。 人や動物の頭に入って恐ろしい指令を出すピッキは、悪魔そのものなのかもしれません。 悪い事の方が、自分の力を確認しやすいからでしょう。 大きな混乱を巻き起こしたピッキが、最後に飛び込んだのは一番強い魔女の頭の中。 とんでもない結末まで、緊張は高まり続けでした。 文中に書かれてはいましたが、決して妖精なんかじゃありません。

2021/10/22