銃声のやんだ朝に

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784198622619
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8097

内容説明

一九一四年夏、イギリスのポーツマス。工場で働く十七歳のジャックは、友人ハリーとともに、地元プロサッカーチーム「ポーツマス」のユースチームに所属していた。二人は初出場となったシーズン開幕戦で活躍し、期待の新星として注目される。しかし、ちょうどこの年、第一次世界大戦が勃発、二人は好戦的な空気に押されるように、志願して軍隊に入り、西部戦線に送られることになった。二人を待ち受けていたのは、泥だらけの塹壕、粗末な食事、ネズミやシラミ…そして「戦争」の現実だった。砲弾が飛び交い、若い兵士たちは次々に命を落していく。捕虜の銃殺、仲間の自傷、その一方で優雅に過ごす将校たち…。ところが、その年のクリスマス、奇跡のような出来事が起きる。前線の兵士たちは、敵味方のへだたりを超え、ともにクリスマスを祝い、戦場はサッカー場に変わったのだ。第一次世界大戦開戦の年、実際にあったクリスマスの休戦を題材に、十七歳のサッカー選手の目を通して、人間の尊厳を真摯に描く感動の物語。10代~。

著者等紹介

リオーダン,ジェイムズ[リオーダン,ジェイムズ][Riordan,James]
1936年イギリス・ポーツマス市生まれ。少年時代に第二次世界大戦を経験。戦後様々な職業を経験した後、ロシア(当時ソヴィエト連邦)の首都モスクワに留学し、ロシアのサッカーリーグで選手として試合に出場もした。1965年にイギリスへ戻り、複数の大学で教鞭をとる。1998年、若い読者に向けて初めて書いた「スウィート・クラリネット(未訳)」が、ウィットブレッド賞の候補となる。以来、戦争と若者を主題とした小説を意欲的に発表し続けている

原田勝[ハラダマサル]
1957年生まれ。東京外国語大学卒。ヤングアダルト小説を中心に、英語圏の優れた児童書を意欲的に紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Comit

28
県立図書~第一次世界大戦時のイギリス兵とドイツ兵の間に実際にあったクリスマス休戦とサッカー試合による交流を題材とした平和啓発本。未来ある若者たちの死、その数は一千万人以上…いつの間にか戦争に駆り出され、命が呆気なく奪い去られる生地獄を過ごす中で感じるのは、戦争の虚しさと残してきた大切な人を想う気持ち。それはイギリス兵もドイツ兵も同じ。クリスマスの奇跡、戦争は誰も望まないという気持ちがかたちになったもの。さっきまで撃ち合っていた若者たちがサッカーを通して汗を流すシーンには胸が熱くなる。今年のマイベスト10✨2023/05/01

ののまる

15
第一次大戦中の西部戦線(ほとんどの兵士が単なる無駄死に)で実際にあった、ドイツ軍とイギリス軍の最前線で行われた一日だけの「クリスマス休暇」。互いに語り合い、サッカーをしたという歴史的事実に基づた物語。翌日には将校命令により前と同じように戦闘開始となり殺し合う異常な状態のなかで、同じ人間として両国の兵士がふれあった光の一日。2018/08/12

頼ちゃん

5
クリスマス休戦を中心に書かれた感動的な話かと思っていたら、そこにいたるまでの戦争の悲惨さが多く書かれていた。ごく普通の少年がまわりの雰囲気で志願し戦争に行くことになってしまう。 子供達に読んでほしい。2015/09/24

あられ

4
実話をもとにした物語という…一人の少年兵士がたどった道だが、実際に起こったクリスマス休戦が上官の命令で戦争をしている兵士たちの起こした奇跡で、前線に出ることのないくそったれ将校どもの野蛮ぶりに嫌気がさす 戦争は誰が始めるのだろう…そして誰が止めるのだろう こんな殺し合いはいつの時代も初めてはならない 美談ばかりではない物語が説得力があり読みごたえがあった2022/12/27

モモ

3
すごく良かった。第一次世界大戦中のイギリス兵とドイツ兵のクリスマス停戦の話。敵前逃亡の罪で射殺など悲惨な戦場の様子が伝わる。一緒にクリスマスを祝った後で、また戦わねばならなかったのがつらい。多くの人に読んでもらいたい。2019/03/14

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