内容説明
高校二年、十七歳の冬。わたしは魔女にさらわれた。二十四歳、人生崖っぷち。あたしは深夜のバッティングセンターで捨て猫を拾った。三十歳リーチ、いまだに自分捜し継続中。私はいきなり後頭部に空き缶をぶつけられた。―それが、わたしたちの旅のはじまりだった。
著者等紹介
山下卓[ヤマシタタカシ]
1967年5月、北海道生まれ。フリー・ライターとして活躍しながら、96年9月より、良質な文庫書下し作品を数々上梓。繊細かつ情緒溢れる独特な筆致が注目を浴びている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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椿子
4
山下さんは、やっぱり女の子同士の話を書いたらうまい!冬の北国の描写も、年齢と共に感じる悩みも、凄くリアルで、一緒に旅をしているような気分になった。特にマリ姉と殆ど同じ年齢なので、一番共感してしまったなあ。2010/10/15
ANNE@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
2
かなり一気に読まされました。途中で止められなかった。3人の女子が一晩現実からエスケープするお話。心の動きが丁寧に書かれていて、引き込まれまれました。このあとどうなったんだろう~と思うけど、ここで切ったから爽やかな読後感が残ったかもしれないな~。週末の夜に読んだ人は思わず旅立ちたくなってしまうかも!2011/04/19
ni-ni-
2
冬の新宿で出会った3人の女たち。17歳の女子高生、24歳のキャバ嬢、30手前の雑誌編集者。その日に出会ったばかりの三人が、新潟の温泉旅館を目指し旅に出る、ロードノベル。予想以上に面白かった。恋愛話じゃない、前向きなストーリーを読みたい方にはお勧め。タイトルや装丁が、ストーリーとこれ以上ないほどマッチしている。個人的には、大当たりの本だった。2009/01/15
no6
1
ありえないような設定だけれども、10代高校生、20代キャバ嬢、30代会社員の弾丸旅行はロードムービーを見ているかのよう。というかこれ、このまま映画になるよなあ。装丁=ムシカゴグラフィクス 百足屋ユウコ ベストセラー作家じゃないのに(失礼)カバーにいい紙使っているなあとか、こんなにタイトルが目立たないのよく許されたなあとか、(図書館本なので)どんな帯がついていたんだろとかいろいろ考えてしまう装丁。2022/03/29
オハナ☆
1
とりあえず飲酒運転はダメですよ。軽いトーンだけど、抱えてるものは重いかも?ラストがハッピーなのでよかった。2017/01/13