内容説明
名探偵はただいま再就職活動中。融資の専門家が経験と知識を生かしてミステリアスな怪事件に挑む。江戸川乱歩賞作家の新境地。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
49
元銀行員が再就職先が見つからずにもがく中アパートの大家の風呂屋のピンチをその知識で助けたことで始まる連作短編集。ただ実際に元銀行員らしいのは冒頭とノートをめぐるあれこれと川崎商業銀行のネタぐらい?まぁ、現金輸送車のルートとかもそうか。で、思いっきりオカルトな話とかあるんだけど、そんなに違和感を感じずに読めるんでこれはこれでアリだなという感じ。個人的には交通事故処理で知り合った警官の勝村がなんというか、お前そんなに暇なのか?というのがあるんだけど(笑)。地味に小杉だの中原だの北川崎が舞台で楽しい。2014/11/10
よんよん
45
銀行倒産でハローワーク通いの大原次郎が、元銀行員の経験を生かして金融探偵となる。期せずして舞い込む事案や依頼を解決していくところに緊張感ある文章で読ませてくれますね池井戸さん。面白かったです。2017/01/09
幹事検定1級
35
久しぶりに読んだ池井戸さんの金融関係の小説、その名も金融探偵。倒産しリストラされた銀行マンが就職活動中にひょんなことから金融コンサルタントのようなことを始める短編集。池井戸さんの描く中小企業を舞台にした作品は東京の大田区周辺が多いですよね。そういうこともあって情景が浮かびやすくなります。(図書館本)2017/02/10
Baro
31
図らずも探偵としてお金がからむ事件を解決していく,元銀行員の主人公。角膜の記憶が事件を解く鍵になる「眼」がよかった。「BT'63」や「民王」にも似た,ファンタジーの要素がある設定がおもしろい。2014/03/23
もぺっと
25
勤めていた銀行が倒産し、求職中の大原次郎がなりゆきで、持ち込まれた金融関連の謎を解く連作短編集。あっさりした短編なので読みやすいが、いつものすかっとした感じはあまりない。銀行の取引のことが詳しければ、もっとおもしろさを感じるのだと思う。2018/08/30