路上の人

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路上の人

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198618230
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

時は一三世紀前半。舞台はイベリア半島とピレネー山脈、フランスを横切り、イタリアを南下してローマに及ぶ南欧の広大な地域。語り手は「路上のヨナ」と称ばれる浮浪人、ほとんど文字を読まず書かずの下層の人物だが、聡明で、ラテン語を含め多数の言語を話す。ある時は英国の外交使節やドイツの学僧や神聖ローマ帝国皇帝が法王庁に送った騎士(スパイ)等の従者となり、ある時は旅芸人の一団に身を投じ、必要ならば乞食をして東奔西走する。―堀田善衛(一九一八‐九八)が一九八五年にその大部分をバルセロナの客舎で書いた小説。

著者等紹介

堀田善衛[ホッタヨシエ]
1918年生まれ。1939年慶応大学法学部政治学科に進学。1940年文学部仏蘭西文学科に転科。1942年大学を繰上卒業。1948年、戦後最初の小説「波の下」を「個性」に発表。1951年「中央公論・文芸特集」に「広場の孤独」を全編掲載。「文学界」に発表した「漢奸」とともに、昭和26年度下半期の芥川賞を受賞。1956年日本文化人会議より平和文化賞を受賞。1958年NHKラジオドラマ「日本の天」で芸術祭奨励賞を受賞。1959年アジア・アフリカ作家会議日本協議会事務長に就任。1960年NHKラジオドラマ「渦潮」によって芸術祭奨励賞を受賞。1963年文化放送ラジオドラマ「天と結婚」で芸術祭奨励賞を受賞。団伊玖麿の合唱・管弦楽曲『岬の墓』のために作詩、芸術祭賞を受賞。1971年『方丈記私記』で、第二五回毎日出版文化賞を受賞。1977年『ゴヤ』全4巻により、大仏次郎賞を受賞。1979年スペイン政府から賢王アルフォンソ十世十字章を受賞。アジア・アフリカ作家会議に出席、ロータス賞を受賞。1995年朝日賞受賞。『ミシェル 城館の人』全三巻で和辻哲郎文化賞を受賞。1998年日本芸術院賞を受賞。9月5日、脳梗塞で死去
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

387
堀田善衛がスペイン在住時代に書いたもの。時は13世紀。中世の真っただ中である。主人公のヨナは「路上の人」」であるが、物語の中核をなす部分では、コンコルディア伯爵アントン・マリアの従者として南仏に赴く。時あたかも、アルビジョア十字軍がトゥールーズをはじめ南仏の各地を蹂躙していた頃。ヨナ自身は彼らに一抹の共感を寄せつつも傍観者に徹している。物語はカトリックとは何かを問い詰めてゆく。カタリ派は異端か。フランチェスコでさえもあわや異端の烙印を押されかねなかった。遠藤周作と似た来歴を持つ堀田だが、彼自身は⇒2020/05/31

遥かなる想い

151
ヨーロッパ中世の物語である。 僧侶の従者として 旅する 路上の人 ヨナの視点で 描く。 当時の西欧の風景を 路上の人ヨナの 観察眼で 淡々と描くが、この時代の知識が ない私には、正直 宗教色が 強すぎて、 よくわからず、残念ながら、著者の世界に 入れなかった。2020/03/22

榊原 香織

87
面白い。ジブリが再販しただけある。 ヨーロッパ中世を路上目線から。小説仕立てだけど、主役は脇から見てる感じで逆に良い。 誰かに似てる、と思ったら、”お控えなすって Excuse" あ、寅さん! カタリ派のこと等。 表紙の小さい版画、宮崎駿監督次男、敬介氏  この間、旅先で地元の人が、堀田善衛はこの町の誇り、と言ってた。 富山県高岡市伏木出身。 2021/08/23

やいっち

41
中世のヨーロッパを浮浪者のヨナが時にスパイとなったりして東奔西走する話。解説にもあるように、ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』や、吾輩などは、ジョージ・エリオット作の『ロモラ』を連想せざるを得なかった。関連する文献を渉猟し、当時の世相を最貧の庶民から普通では覗けない高貴な世界までを描き尽くそうとする。語学が得意で観察眼のあるヨナの特技がいかんなく発揮されているからこその活躍ぶりである。2019/06/01

らぱん

27
路上から世界を見るヨナがとてもいい。身軽さが自由と心得た彼に卑屈さはない。何者でもない彼は僧や騎士の従者を生業にし旅をする。密命を帯びた清廉な修行僧を選んだ時に物語は動き出す。腐敗した教会の命で十字軍が行った異端カタリ派への激烈な迫害が描かれ、神学から哲学に及ぶ深淵な主題だが、ヨナの存在が重さや難しさを緩和し、実質的主人公騎士アントンのダイナミックな歴史物語になっている。ヨナの働きぶりは無私無欲であり、敬愛を動機にした奉仕と言ってよく、それは主題の問う答えのひとつになり得るのではないか。再読可能な良書。2019/03/20

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