内容説明
時は一三世紀前半。舞台はイベリア半島とピレネー山脈、フランスを横切り、イタリアを南下してローマに及ぶ南欧の広大な地域。語り手は「路上のヨナ」と称ばれる浮浪人、ほとんど文字を読まず書かずの下層の人物だが、聡明で、ラテン語を含め多数の言語を話す。ある時は英国の外交使節やドイツの学僧や神聖ローマ帝国皇帝が法王庁に送った騎士(スパイ)等の従者となり、ある時は旅芸人の一団に身を投じ、必要ならば乞食をして東奔西走する。―堀田善衛(一九一八‐九八)が一九八五年にその大部分をバルセロナの客舎で書いた小説。
著者等紹介
堀田善衛[ホッタヨシエ]
1918年生まれ。1939年慶応大学法学部政治学科に進学。1940年文学部仏蘭西文学科に転科。1942年大学を繰上卒業。1948年、戦後最初の小説「波の下」を「個性」に発表。1951年「中央公論・文芸特集」に「広場の孤独」を全編掲載。「文学界」に発表した「漢奸」とともに、昭和26年度下半期の芥川賞を受賞。1956年日本文化人会議より平和文化賞を受賞。1958年NHKラジオドラマ「日本の天」で芸術祭奨励賞を受賞。1959年アジア・アフリカ作家会議日本協議会事務長に就任。1960年NHKラジオドラマ「渦潮」によって芸術祭奨励賞を受賞。1963年文化放送ラジオドラマ「天と結婚」で芸術祭奨励賞を受賞。団伊玖麿の合唱・管弦楽曲『岬の墓』のために作詩、芸術祭賞を受賞。1971年『方丈記私記』で、第二五回毎日出版文化賞を受賞。1977年『ゴヤ』全4巻により、大仏次郎賞を受賞。1979年スペイン政府から賢王アルフォンソ十世十字章を受賞。アジア・アフリカ作家会議に出席、ロータス賞を受賞。1995年朝日賞受賞。『ミシェル 城館の人』全三巻で和辻哲郎文化賞を受賞。1998年日本芸術院賞を受賞。9月5日、脳梗塞で死去
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