内容説明
指を差して強く念じれば、その対象を殺すことができる―路子は、そんな不思議な能力を持っていた。二十歳の誕生日目前、胸に秘めた「決意」を実行に移さんとする彼女は、急病に倒れた瀕死の母親を見て、やり場のない怒りを抱くこととなる。「この女を殺すのは私。病気で死ぬなんて、絶対に許さない…」看病に没頭する日々が始まった。真摯な医師鷺森、難病の少女彩乃らとの交流は、愛情薄い両親への復讐心に凝り固まった路子の心を解すことができるのか…?生とは?死とは?親子の絆とは?日本SF新人賞受賞作家が描く、感涙のドラマ。書下し。
著者等紹介
井上剛[イノウエツヨシ]
1964年生まれ。京都大学文学部卒業。会社勤務の傍ら小説執筆を続け、『マーブル騒動記』で第3回日本SF新人賞を受賞し、2002年、デビュー。京都府八幡市在住
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