内容説明
本書はわれわれを一部とするこの神秘不可思議なる宇宙の性質、予測し難い善悪、幸不幸の混在する人間存在の意味、宗教経験と聖者聖人と呼ばれる特異な人々の意義、死と死を超えたさらなる生命の展望といった問題に関心を寄せる誰にも向けられている。これらの問題に答えて、著者は純ナチュラリズム的、ヒューマニズム的な生の理解がいかに不完全であるか、宇宙の第五の霊的次元がいかに実在に富むものであるかを論じている。
目次
第1部 宇宙の全体像
第2部 生の意味
第3部 神と絶対者
第4部 宗教経験と神秘主義
第5部 聖者の行進
第6部 現在と未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
なおた
1
「異なる宗教がそれほどに強く、ときに激しいまでに異なりを見せる形而上の教理は、たとえ正当な説ではあっても、無謬のドグマとして絶対視されてはならない。」(320頁)が諸宗教対話の際に必要な姿勢として、今日でも説得力を持つと感じた。訳者あとがきに「宗教により、『神の似姿』とも、『仏性』とも、『アートマン』とも呼ばれているが、ヒックによれば、究極的には同じものが、異なった伝統、概念、用語によって、異なって知覚されたものであるという」と書かれていたので、そこまでの飛躍には追従できないと思い、精読は見送りました。2020/08/15




